事故車も買取に出せる！ 売却できる理由や高額査定を狙う9つのコツも解説

過去に骨格に損傷を与える事故を起こした車は、事故車として一般車とは異なる扱いになります。愛車が中古車として買取できるのか、不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、事故車の定義と買取の可否を解説します。また、買取時の注意点や高額査定を狙うコツも紹介しているので、事故車買取のポイントを把握できるでしょう。事故車の買取を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

事故車とは？

事故を起こした車は一般的に「事故車」「修復歴車」などと呼ばれ、定義があいまいで分かりにくいと感じるかもしれません。

自動車業界では「事故車」という言葉は避け、車の価値に大きな影響を与える要素を定義付けた上で「修復歴車」と呼びますが、この記事では事故車と修復歴車を同義として扱います。

車の査定金額は、事故車かどうかで大きく変わることが特徴です。それぞれの言葉の意味を正しく理解していないと、思わぬトラブルにもつながりかねません。ここでは、事故車の定義を解説します。

事故車の定義

事故車（修復歴車）の定義は「骨格部分に欠陥を生じた車、損傷した箇所を過去に交換または修復した車」です。事故によるものだけでなく、ひょうなどによる災害が原因でも事故車として扱われます。

骨格部分を損傷しても、程度によっては事故車扱いにならないこともあります。修復歴がある場合は、査定員に確認しましょう。

事故車に該当しない車

事故が原因で修理が必要となった車でも、修理した箇所が骨格部分に該当しない場合、修理や交換をしても事故車（修復歴車）とはなりません。

基本的な考え方は、車の骨格部分が損傷しているか否かです。事故の有無＝事故車（修復歴車）ではないことを覚えておきましょう。

事故車に乗り続けるデメリット

車の骨格部分が破損した車は、たとえ修理しても事故前の強度には戻りません。安全面に不安を抱えたまま乗り続けることになり、修理にかかる費用も心配です。ここでは、事故車に乗り続けるデメリットを2つ紹介します。

安全面・機能面に問題が生じやすい

事故などで骨格部分に損傷を受けた車は、その後も不具合や故障を起こしやすくなります。

修理や交換では骨格の強度が元に戻らない、他の機能や部位に損傷の影響が波及するなどの恐れがあり、損傷前の安全性を取り戻すのは困難です。一度でも事故車になってしまうと、手放すまでずっと安全面の心配が付きまといます。

修理に費用や時間がかかる

事故車は故障しやすく、事故を起こしていない車に比べてメンテナンスや修理に費用がかかります。予防のためのメンテナンス頻度も多くなり、ディーラーや整備工場との日程調整や点検作業に費やす時間も長くなるでしょう。

エンジンなどの駆動系や取り外しが難しい部品の交換は、部品代や作業工賃が高く費用も高額になります。保険でカバーできない場合もあるため、注意が必要です。

事故車も買取に出せるが価値が付きにくい

事故車に乗り続けるのが不安な方は、中古車買取業者への売却も選択肢のひとつです。少しでも高値で売却して次の車に乗り換えることで、安全への不安は減るでしょう。

しかし、事故車の買取では、高値が付きにくいのが実情です。ここでは、その主な理由を解説します。

事故車は一般中古車よりも買取相場が低い

事故車は不具合や故障のリスクが一般の中古車よりも高いため、欲しい人も少ないのが実情です。需要が低い車は高値での販売が期待できず、中古車業者が提示できる買取価格も低くなります。

事故車の買取は、通常の半値程度で取引されることが一般的です。車の価値が高いほど減額される金額の幅が大きくなるため、売却先は慎重に検討しましょう。

自走できない車は修理に多額の費用がかかるため、買取や下取りを断られるケースもあります。

事故車の買取相場が低い理由とは？

多くの車種が採用するモノコック構造は、骨格と外板を一体化して車全体の剛性を確保しています。事故などで一部の骨格に損傷を生じた場合も波及して骨格全体に影響を与え、損傷部だけを修理しても本来の強度まで回復するのは困難です。

全体のゆがみが補正できないと車両バランスが崩れ、直進できないなど走行にも影響するでしょう。

事故車の修理歴は、点検整備記録簿に記録されます。買取業者は記録簿も参考にして査定額を決めるため、相場より低い買取価格を提示されるのが一般的です。

買取に出す前に修理するのはやめよう

少しでも高く事故車を売却するために、査定前に修理しておきたいと考える方もいるでしょう。しかし、事故車の買取金額が修理にかかる費用を上回ることは少ないため、結果的にマイナスになります。

買取業者には自社の修理工場や提携する工場があり、低コストで修理が可能です。骨格修理などが必要な場合は、自分で修理を依頼する前に買取業者へ査定を依頼しましょう。買取業者は、自社工場での修理費用を含めた査定額を出してくれます。

他者の過失で事故車になった場合の買取査定額への影響

事故は自分の過失で起きるとは限りません。信号で停止していたら後ろから追突されたなど、相手側の過失で事故車になるケースもあるでしょう。

しかし、事故車の定義はどちらの過失でも変わらず、買取価格は同様に減額されてしまいます。相手の過失で事故車になった場合でも、同じように車の買取額が低くなることに不満を感じるでしょう。

一般財団法人日本自動車査定協会では、事故車の状態を確認して「事故減価額証明書」を発行できます。この証明書を基に保険会社に評価損分を請求すれば、損失低減が可能です。

しかし、保険契約の内容によってはカバーされないケースもあるため、保険会社に確認しましょう。

事故車の買取ができるのはなぜ？

事故車の買取がなぜ可能なのか、疑問に思う方もいるでしょう。事故車や不動車にもさまざまな価値があり、適切な買取業者を選べば思わぬ金額で売却できるケースもあります。ここでは、事故車の買取が可能な理由を見てみましょう。

解体してパーツ販売

自走不可の車も、解体すれば個々のパーツを修理部品として販売できます。事故車に該当する車でも、全てのパーツが壊れているとは限りません。一部のパーツを他の車の修理部品として活用できるため、商品としての価値があります。

廃車買取業者や事故車を取り扱う専門の買取業者は、事故車の販売ルートや車の解体工場を確保（提携）しているのも特徴です。

修理可能な車は再販

事故車を再販する方法は「国内の修理工場で事故車を修理して再販」と「修理しないまま事故車として海外に輸出」に大別されます。

前者では、事故車の仕入れ値と販売時の金額差が業者の利益です。後者の場合、海外では事故車であっても日本車に対して安全性での信頼が高く、十分に需要があります。修理せずに輸出すれば、人件費のコストを抑えられるのも特徴です。

資源として車を有効活用

車の損傷が深刻で修理部品にもならない場合、車は自動車リサイクル法に従い資源として再利用されます。

車の材料の約75%は鉄です。その他は、アルミ・樹脂・ゴム・ガラス・繊維・非鉄金属（クロム・亜鉛・銅・マンガン・ニッケル）などで構成されています。たとえ不動車であっても車体に使われている資源の含有量は変わらず、再利用が可能です。

事故車の買取における注意点

事故車を買取してもらうと決めたら、買取を依頼する前に注意したいポイントがあります。高く売りたいために事故歴などの不利な情報を隠すと、後に多額の賠償請求をされるなどのトラブルに発展しかねません。

買取業者を選ぶ際にも、事前に確認しておきたい4つのポイントがあります。ここでは、それぞれの注意点を詳しく見てみましょう。

事故の有無や修復歴を隠さない

減額を避けるために、事故や修復歴を隠して売却すると後で大きなトラブルに発展する可能性があります。売却した車が不具合を起こした場合には、民法の「契約不適合責任」が適用され、損害賠償を請求されるかもしれません。

問題があることを隠して物品を売り、後に問題が発覚した場合には、売り主が責任を負います。

以前は「瑕疵（かし）担保責任」と呼ばれていましたが、2020年の改正で「契約不適合責任」に変わりました。この改正では買主の権利が拡充され、売り主への責任が重くなっています。

買取を依頼する際は過去の事故や修理歴を全て査定士に開示し、情報不足がないように注意しましょう。

ポイントを押さえて買取業者を選ぶ

買取してもらうのが事故車に該当する場合、以下の点に注意して慎重に売買契約を交わすことをおすすめします。

事故車の買取でよくある質問

事故車の買取を依頼する場合、通常の車の売却と異なる点が多く、不安になるでしょう。ここでは、事故車の買取に関連したよくある質問を紹介します。

小さなことでも、買取に関連する不明点は買取業者に相談するのが基本です。信頼できる買取業者と安心して取引を進めるためにも、ぜひ参考にしてください。

車が大破している状態でも買取は可能？

車が大破しており自走不可な状態でも、依頼先選びを誤らなければ0円以上で買取してもらえることが大半です。依頼先には海外販路を持つ中古車買取業者、自走できない場合は廃車買取業者への依頼が良いでしょう。

専門業者の大半はレッカー車や積載車を所有しており、自走できない車も運搬可能です。ただし、個別のレッカー費用や買取基準は個々の業者によって異なります。

通常の買取業者の査定で値段が付かない場合は、事故車専門の買取業者の査定を受けると良いでしょう。査定を申し込む時点で、費用の相談をしておくとなお安心です。

損傷の程度により費用が発生することはある？

依頼先ごとに想定される費用が異なります。中古車買取に伴う手数料は、一律で定められていません。見積書を確認する際は、査定金額だけでなく手数料を含めた総額を確認しましょう。

依頼先別の費用相場

・ディーラーへの依頼
　車の引き取り代や約1万円～8万円の廃車手続き代行料が発生します。

・中古車買取業者への買取
　手数料は約2万円～3万円が相場です。提示された買取金額から手数料分差し引いた金額を受け取れます。通常の中古車買取業者ではなく、廃車買取業者などの専門店へ依頼すると良いでしょう。

・スクラップ業者に依頼し、自分で廃車手続を行う
　廃車費用として、2万5,000円～4万円ほどかかります。個人依頼できる業者を探し、廃車手続きを自分で行う手間や時間が伴うことにも留意しましょう。

車検が切れている車も買取可能？

車検が切れている車も買取自体は可能ですが、法律で禁止されているため公道の走行はできません。仮ナンバーを取得して自走するか、積載車を使って運びます。

積載車で運ぶ場合は、保管場所から店舗までの距離に応じた運送費が必要です。査定を申し込む時点で金額を確認しましょう。

事故車かつローン残債がある車の買取は可能？

ローン残債がある状態では、車の所有者が本人でないケースがあります。名義が本人でない場合は車の名義変更を行えず、買取手続きができません。

買取金額がローンの残債に満たない場合、不足分を現金で補って一括返済する、またはローンの組み換えをする必要があります。

ローンの組み換えには審査が伴うため、希望通りになるとは限りません。どのような選択肢があるか、買取業者とよく相談しましょう。

前オーナーの事故歴を知らずに売った場合は？

前オーナーによる事故歴（修復歴）を知らずに購入した車の場合、査定時に事故歴や修復歴が見つかる可能性があります。この場合、査定額の減額は避けられませんが「未申告」への責任を負う必要はないでしょう。

状況次第では、その車の購入時に事故歴（修復歴）を本人へ告知しなかった販売業者に対し損害賠償請求が可能な場合もあります。ただし、請求できる期間にも時効があり、希望通りになるとは限りません。

事故車の買取で高額査定を狙う9つのコツ

事故車の買取であっても、高額査定を狙うコツがあります。手間を惜しまずに少しのコツを意識すれば、金額が大きく変わるかもしれません。買取金額を重視する場合、事前に9つのコツをチェックしておきましょう。

1．事前に買取相場を調べておく

あらかじめ買取相場を調べておくと、買取業者から不当な金額で買いたたかれてしまうことを防ぎ、買取金額の交渉にも役立ちます。買取相場を調べる方法は、車の専門雑誌やディーラー・中古車買取業者のウェブサイトが有用です。

ある程度の相場を把握した上で交渉に臨むと、買取業者に「売却の意思がある」との良い心証も与えられるでしょう。

2．買取に必要な書類を用意

前もって買取に必要な書類をそろえておけば、査定後の買取手続きもスムーズに進みます。必要書類を紛失している場合は、再発行が必要です。車買取に必要な書類は、普通自動車と軽自動車で異なります。

また、転居や結婚などで車検証記載の情報が変わった場合は、追加の書類を用意しなくてはなりません。必要書類はあらかじめ確認しておきましょう。

（参考：『車の査定に必要なものまとめ！書類や手続きも完全網羅』）

3．オプションなど付属品を準備

査定時は、車に付属するスペアキーや取扱説明書、メンテナンスノート（メーカーの保証書と点検整備記録簿）の原本も準備しておきましょう。中古車として購入した場合など、購入当初から付属していなかったものは査定時に申告します。

購入後に純正品を外して別のパーツへ取り換えている場合、純正品のほうが有利になる可能性もあります。買取額がアップする確証はないため、査定前に純正品へ戻すか慎重に検討しましょう。

4．高値相場のタイミングを狙う

中古車買取相場は、1年の中で変動するのが一般的です。1月～3月、7月～9月は中古車購入需要の高まりや買取業者の決算、ボーナス時期に重なるため、買取相場が高まる傾向にあります。価値が低い事故車は、高値相場の時期を狙うのがおすすめです。

他のイベントと重なる年末や自動車税課税直後の4月は、買取相場が下がるため注意しましょう。また、車の価値は日を追うごとに下がるため、買取の意思が固まっている方は早期売却をおすすめします。

5．複数の買取業者から見積もりをもらう

事故車の査定を買取業者に依頼する際は、1社ではなく複数の業者に依頼して、最も高い査定額を提示した業者を選びましょう。業者ごとに得意な領域が異なるため、複数の業者に査定を依頼すれば事故車の買取が得意な業者を見つけやすくなります。

事故車の場合、一般的な中古車相場価格は参考になりません。1社だけの見積もりでは、提示された査定額が適正か否かの判断は困難です。実際の価値よりも低い買取価格で契約しないように注意しましょう。

6．一括査定サイト＋同時査定で価格競争を狙う

複数の買取業者に事故車の査定を依頼する場合、一括査定サイトの利用がおすすめです。それぞれの業者に個別に査定を依頼すると、毎回車の情報や個人情報を提出しなければならず、手間と時間がかかります。

一括査定サイトを利用すれば、一度情報を入力して送信するだけです。査定サイトに登録している複数の買取業者へ査定依頼が完了するため、効率的に作業を進められるでしょう。複数の業者間で価格競争が生まれやすく、査定額が高くなる可能性もあります。

7．見積書は慎重に確認する

査定後は口頭で査定金額を伝えられるのが一般的です。買取業者によっては、その場で買取を決めるよう即決を求めてくる場合もあります。

「この場で決めてくれれば高値で買取する」「今だけの金額です」などと持ち掛けられると、契約を決めてしまいたくなるでしょう。

しかし、契約を急かす業者には注意が必要です。口頭での提示金額だけでなく見積書を作成してもらい、運送費や手数料を含めて総合的に判断しましょう。

8．事故車買取に強い業者を選ぶ

事故車の場合、通常の中古車買取業者では高額な査定額が期待できないだけでなく、引き取り費用を請求される可能性もあります。事故車に強い専門の買取業者を選ぶようにしましょう。

事故車向けの中古車一括査定サービスを利用すれば、売り主であるユーザーの地域や車の条件に合った中古車買取業者を効率的に探せます。一度の査定申し込みで複数の買取業者へ査定依頼が可能で、相見積もりによって納得の金額も目指せるでしょう。

9．0円査定の場合は廃車専門業者へ

中古車買取業者で値段が付かない場合は、廃車買取業者を利用しましょう。事故車向けの買取業者で0円査定の場合は廃車にするしかありませんが、自分で廃車手続きを行うには手間や費用がかかります。

廃車専門業者に依頼すれば、不動車のレッカー代などの費用はかかりません。廃車手続きも無料で代行してくれる業者もあります。

廃車であっても車を修理部品や資源として査定され、価値が認められる場合には買取が可能です。自分で廃車にするより効率的に処理できるため、最後の手段として覚えておきましょう。

事故車を売るならカービュー車買取の事故車一括査定サービス

事故車を一括査定サービスで売却するなら、カービュー車買取の事故車一括査定サービスがおすすめです。不動車や水没車でも買取が可能で、一度に最大10社の買取業者に見積もりを依頼できるため、高値の査定額を提示してくれる買取業者が見つかるでしょう。

カービュー車買取は、LINEヤフー株式会社が運営する車に関するあらゆる情報やサービスを提供するサイトです。2000年にサービスを開始してからこれまでに500万人以上に利用いただいており、確かな実績があります。事故車を高値で売るならぜひご利用ください。

まとめ

骨格にダメージを受けた車は、事故車（修復歴車）として扱われます。一般車よりも故障する可能性が高く、性能に悪影響を与えている可能性がある車です。安全性に不安があり需要が少ないため、相場価格よりも価格は低くなります。

売却を検討する場合は、事故車の取り扱いを得意とする専門業者に査定を依頼しましょう。自走できない車でも、部品や材料に値段が付く場合があります。

事故車の一括査定は、カービュー車買取の事故車一括査定サービスがおすすめです。安心して車を売却できる買取業者を見つけるために、ぜひカービュー車買取をご利用ください。

#車買取