車の売却に必要な印鑑証明書の枚数は？ 発行に関するFAQや業者選びのコツ

車の売却を検討している方の中には、事前にきちんと必要書類を準備しておこうと考える方もいるでしょう。準備に伴い、印鑑証明書は何枚必要になるか知りたいという方もいるのではないでしょうか。
印鑑証明書の必要枚数を知ることは大切ですが、どうして必要になるかを知ることも重要です。また、車の売却には印鑑証明書以外にも必要な書類があることも忘れてはいけません。そこでこの記事では車の買取に関する印鑑証明書について、必要枚数やよくある質問、その他に必要となる書類を紹介します。

車の売却に必要な印鑑証明書の枚数とその理由

印鑑証明書は、車を売却する際に必要な書類の一つです。正式には「印鑑登録証明書」といいます。車の売却の他にも、車の購入や不動産などを購入する際の契約時にも必要になる書類です。

車の売却時に必要な印鑑証明書の枚数は、手続きの内容次第で異なります。契約時になぜ印鑑証明書が必要なのか疑問に思う方もいるでしょう。ここでは、車の売却時に必要な印鑑証明書の枚数や気になる疑問をご説明します。

車の売却に必要な印鑑証明書の枚数は？

必要な枚数ごとに売却のケースを整理すると、以下の通りとなります。

普通自動車を売却する時、「移転登録」の手続きに1枚必要です。売却と同時に自動車税の還付申請（一時抹消登録）を行う場合は、さらに1枚（合計2枚）追加で用意しましょう。なお、廃車買取業者を利用した廃車手続きを伴う買取の詳細は後述します。

なぜ車の売却に印鑑証明書が必要なの？

普通自動車は法律上動く資産（動産）扱いとなります。売却は資産の譲渡に該当するため、車の売却時に買取業者へ提出する書類は実印の押印が必要です。

しかし、印鑑は簡単に複製ができるため、本物の実印が押されているかはなかなか判断がつきません。そこで必要になるのが印鑑証明書です。そのため、実印と印鑑証明書はセットで必要なものだと覚えておきましょう。

また、車の売却では実印を押印する書類が複数あります。書類1枚ごとに印鑑証明書も1枚必要なため、必要となる印鑑証明書の枚数も増えるのです。

印鑑証明書に有効期限はある？

売却契約を行うことがほぼ確定していれば、印鑑証明書を用意しておくとスムーズに手続きを進められます。車の名義変更の手続きを行う運輸支局では、「発行から3か月以内のもののみが有効」と定めているので注意しましょう。有効期限の関係で書類が通らない場合は、印鑑証明書の再取得が必要です。

ただし、車検切れしている、もしくは車検切れ間近の車を売却する場合、有効期限が間近の印鑑証明書でも受け付けてくれることがあります。これは、買取業者がすぐに売却した車の名義変更を行うからです。

会社名義の車の売却でも印鑑証明書は必要？

社用車の入れ替えなどで、会社名義の車を売却することもあるでしょう。その場合、車は会社所有となっているので「法人の印鑑証明書」が必要になります。

法人の場合は個人と取得できる場所が異なり、法務局で発行します。郵送やオンラインでの発行申請にも対応しているので、これらを活用しても良いでしょう。

印鑑証明書以外で車の売却に必要な書類

車の所有者が車を売却する場合に必要となる書類は、印鑑証明書だけではありません。車を売却する際に必要となる書類は、他にも複数あります。必要な書類に不備がなければ、売却契約もスムーズに進められます。そのためにも必要書類はできる限り準備しておき、不明点は買取業者に確認しましょう。

車検証

車検証は正式名称を「自動車検査証」と言います。車の所有者が誰なのかを証明できる書類で、車検証は車の購入時に渡される書類の一つであり、常に携帯することが義務付けられています。

車の名義を変更する場合、車検証の名義変更が必要です。もし、車検証を紛失してしまった場合は、運輸支局で再発行ができます。手続きができるのは平日のみなので、注意しましょう。

自賠責保険証明書

自賠責保険は、車を所有している方の加入が義務付けられている保険です。強制保険とも呼ばれており、車を走らせる際には携帯しなければなりません。自賠責保険証明書は、車を購入した際に受け取ります。通常、保険料金は車検の際にまとめて支払うので、車検証と一緒に保管している方が多いようです。

紛失した際には、加入している保険会社へ再発行の依頼ができます。再発行までに1週間程度かかる場合もあるので、紛失に気付いたらすぐに再発行の依頼をしましょう。

自動車税納税証明書

毎年4月1日の時点で車を保有している方に、自動車税の納税義務が発生します。翌月の5月初旬に郵送されてくる自動車税納付書を用いて、納付しなければなりません。自動車税を納付した際に渡される自動車税納税証明書（自動車税納付書の半券）が必要です。

紛失してしまった場合は、都道府県の自動車税事務所にて再発行が可能です。軽自動車の場合、居住地の市区町村役場での再発行となります。また、自動車税を納付していないと車は売却できないので気を付けましょう。

リサイクル券

車を解体すると、エアバックなどのパーツはゴミとして残ります。カーエアコンに使用されているフロン類も解体や粉砕作業とは別に壊さなければなりません。車の所有者は、これらに必要な料金の支払いをリサイクル法によって負担することが定められています。

リサイクル料金は、原則として車の購入時に支払わなければなりません。その預託を行ったという証明書がリサイクル券です。紛失しても、原則として再発行はできません。自動車リサイクルシステムのウェブサイトから「リサイクル料金の預託状況」を印刷することで、リサイクル券の代わりにできます。

譲渡証明書

譲渡証明書とは、車の所有者が「いつ」「だれに」変わったのかを証明する書類です。こちらの書類は、普通自動車を売却する場合のみ必要な書類となります。

譲渡証明書は国土交通省のホームページからもダウンロードできますが、一般的に買取業者が準備してくれる書類です。契約の際に記入するケースが多い書類なので、何を記載すれば良いか分からない場合は買取業者のスタッフに聞きながら記入しましょう。

委任状

車の所有者の変更は、運輸支局で車の所有者が行う手続きです。車を売却する際には、買取業者が代理で名義変更手続きを行ってくれます。その場合、車の所有者が書いた委任状の提出が必要です。

委任状は買取業者が準備するので、事前に準備する必要はありません。委任状の記入も契約時に行うので、記載している際に分からないことがあれば、買取業者のスタッフへ質問すると良いでしょう。

【必要な時】住民票

住民票は、引っ越しなどで車検証記載の住所と現住所が異なる場合に必要です。引っ越しで住所が変わったときに変更手続きを忘れてしまっていたという方もいるでしょう。その場合は、事前に住民票を準備しておくとスムーズに売却が進められます。以下の通り、転居の回数で必要な書類が異なるので注意が必要です。

なお、除票の保存期間は5年間でしたが、法改正により令和元年6月20日以降は150年間に延長されています。発行が可能かどうかあらかじめ自治体に問い合わせておくと安心です。

【必要な時】戸籍謄本

戸籍謄本は結婚などで姓名が変わった際に必要になる場合があります。結婚前に自分名義の車を所有し、結婚後に車検証の名義変更を行っていない方もいるのではないでしょうか。そのような場合、車検証と氏名が異なるので、戸籍謄本が必要となります。また、故人の車を売却する場合も戸籍謄本が必要です。

軽自動車の売却に必要な印鑑証明書の枚数は？

軽自動車を売却する時について補足します。基本的に軽自動車の売却には印鑑証明書は不要です。ただし、買取業者によっては身元確認などのために印鑑証明書の提出を求められることもありますので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。軽自動車を売却する際の必要書類は以下の通りです。

印鑑証明書の発行に関するFAQ

印鑑証明書の必要性を解説してきましたが、印鑑証明書の発行について、詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。印鑑証明書は、きちんと基本を押さえておけばスムーズに発行できる書類です。ここでは、印鑑証明書の発行時によくある質問を解説します。

Q.印鑑証明書はどこで取得できる？申請に必要な書類は？

印鑑証明書は、所有者が住民登録している市区町村の役所で発行申請をしましょう。登録者本人であればその場で発行されます。代理人の場合は即日登録できないので留意しておきましょう。

自治体によっては、一部の郵便局やコンビニのマルチコピー機、役所の出張サービスセンターなどからの発行も可能です。どの方法も、印鑑証明書の発行に実印が登録されていることが前提となっています。登録が済んでいない場合は、実印登録（印鑑登録）から始めましょう。

また、印鑑証明書の発行申請には必要なものがいくつかあります。準備するものは次の通りです。

・印鑑登録証（カード）
実印を登録した際に発行された「印鑑登録証」と記載されたカードを準備しましょう
・手数料
1枚につき300円程度の手数料が必要です。複数発行する場合は、手数料×発行申請した枚数分となります
・本人確認用の証明書
本人が確認できる免許証やパスポートを持参しましょう。ただし、自治体によっては必要ない場合もあります

Q.印鑑証明書を登録・申請できる人は？

代理人を立てれば、印鑑証明書の発行申請ができます。仕事などが忙しく、どうしても車の所有者が印鑑証明書の発行を申請できない場合もあるでしょう。印鑑証明書を登録（申請）できる人は以下の通りです。

各自治体のウェブサイトに必要なものが記載してあるので、事前に確認して準備すると良いでしょう。

Q.実印を紛失してしまったら？

実印を紛失してしまった場合は、居住地の役所の窓口へ亡失届を提出します。亡失届は各役所に設置してあるので、必要事項を記入してから提出しましょう

亡失届を提出したあとは、実印の再登録を行います。再登録をすると紛失した元の実印の効力はなくなります。悪用も防げるでしょう。手続きに必要なものは次の通りです。

手続きは、代理人でも行えます。その場合、役所に設置してある委任状、所有者の本人確認ができる証明書のコピー、代理人の本人確認ができる証明書が別途必要です。

Q.引っ越し前の住所で登録した印鑑証明書は使える？

印鑑登録は、引っ越し前の市区町村の役所に転出届を提出すると抹消されます。引っ越し前に登録した印鑑証明書は、3か月以内に発行したものでも無効となるので注意しましょう。

この場合、新住所の市区町村の役所で新しく印鑑登録をして、印鑑証明書を発行しなくてはなりません。印鑑登録は、各自治体の窓口でしか登録手続きを行えませんので注意しましょう。印鑑登録に必要な書類は次の通りです。

代理人が印鑑登録をすることも可能です。その場合は、役所や役場に設置してある委任状と代理人の認印、本人の確認ができる証明書が必要になります。

Q.車の所有者が亡くなっている場合の手続きは？

車の所有者が亡くなった場合、車は相続人が相続する財産のひとつです。相続人の中には、車の売却を考える方もいるでしょう。しかし、車の名義が亡くなった方のままでは売却できません。相続人の名義へ変更してから車を売却する必要があります。

亡くなった所有者から相続人へ、車の名義変更を行う際に必要な書類は次の通りです。ただし、こちらは相続人が単独で相続するケースです。

相続人が複数いて、共同名義にする場合もあるでしょう。共同名義へ変更する場合に必要な書類は次の通りです。

印鑑証明書って悪用される心配はないの？

車の売却に伴い、委任状を用いて買取業者は自動車税の還付金の請求権利をユーザーから譲渡されます。買取金額が査定金額に還付金の相当額を上乗せされたものだと確認しておけば、ユーザー自身が損をすることはないでしょう。しかし、印鑑証明書の効力を悪用されるリスクがないのかも気になります。

基本的に印鑑証明書が悪用されることはない

先述のように、印鑑証明書は実印とセットにして初めて効力を持ちます。印鑑証明書に記載された個人情報は買取業者に厳重に管理されることが求められますが、それ以上に印鑑証明書が悪用されることは考えにくいでしょう。

しかし、世の中には非常に多くの中古車買取業者が存在し、中には悪徳業者が存在します。車を売却する時は買取金額だけでなく、信頼できる買取業者を選ぶことが大切です。

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まとめ

車の売却契約時に必要な印鑑証明書は、実印が本物であることを証明するために必要な書類です。実印の押印が必要な書類が複数ある場合、その数だけ印鑑証明書の準備をしておけば、不足する心配はないでしょう。

車の売却では、いくつかの手続きで印鑑証明書が必要です。基本的には買取業者に任せて進めると良いでしょう。安心して車の売却を任せられる業者を見つけるには、一括査定サービスの利用がおすすめです。

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