車の買取相場はどのように決まる？ 影響する項目、調べ方や必要情報も解説

車の売却を考えたときに「買取相場」は売買価格の目安となります。愛車を相場よりも安く手放してしまわないために、あらかじめ確認しておきたい情報です。しかし、買取相場には、どのような項目が影響するのかご存じない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、買取相場はどのように決まるのか、買取相場の調べ方を紹介します。相場よりも高く愛車を売るポイントも解説しますので、最後まで読むことで納得できる売却につなげられるでしょう。

車の買取相場はどのように決まる？

車の買取相場は、主に「車の状態」と「市場の傾向」の2つの要素から決まります。車の状態は、日頃のお手入れや丁寧な運転といったオーナーの努力によって差がつく要素です。

市場の傾向はオーナー自身が変えられる要素ではありませんが、リセールを考慮して購入した場合、有利に働く可能性があります。それぞれの要素を見ていきましょう。

車の状態

車の状態は、車の買取相場を決める重要な要素です。車の状態が良ければ次のユーザーが購入した後の故障リスクが低くなるため、中古車市場での需要は高まります。

車の状態が悪い場合は購入後の故障リスクが高く、故障内容によっては多額の費用が発生するため需要は低くなるでしょう。

車の状態評価に影響するのは、車の年式や走行距離、修復歴の有無、傷やへこみの有無などです。車の状態によって、買取相場は大きく変わります。

市場の傾向

人気車や不人気車など、中古車市場でどのような傾向にあるのかによっても車の買取相場は変わります。

例えば、生産が終わった車がドラマや漫画で使用されて人気が出ると、中古車市場の人気が連動して高くなることも少なくありません。需要が一気に高まると供給量が足りず、買取相場が一気に跳ね上がります。

新型モデルの登場により多くの旧型モデルが中古車市場に流れ込む場合も、市場価格に影響をもたらす要素です。需要に対し供給過多となるため、買取相場が低下します。市場は常に変化し、買取価格もそれに合わせて変動することを覚えておきましょう。

車の買取相場に影響する項目

車の状態の具体的な要素は6つあり、それぞれの状態を総合して買取相場が決定します。特定の要素に優れていても、他の要素が悪い場合はそれほど高い買取相場にならないでしょう。それぞれの要素を詳しく解説します。

車種やグレード

車種やグレードの違いによって、中古車市場での需要は大きく異なります。多くの方が購入したいと考えている人気の車種であれば、需要が高く買取相場も高めです。

グレードも重要な要素となり、装備が充実している上級グレードや走りを楽しめるスポーティーグレードは、買取相場が高くなる傾向にあります。

また、昔のモデルよりも新しいモデルのほうが買取相場は高めです。最新の技術が搭載されている、故障リスクが少ないなどの理由から人気があります。

年式

年式は「高年式」なのか「低年式」なのかで、買取相場に変化が生まれます。高年式の車は比較的年式が新しい車を指し、一般的には初回車検を受ける前の車です。低年式とは、初年度登録をしてから経過年数が長い車を指します。

高年式は新しい技術が使われており故障リスクも低いことから、中古車市場での需要が高く、買取相場が高い傾向にあると言えるでしょう。

低年式は古い技術であることや、経年劣化による故障リスクが高まり、中古車市場での需要はあまりないため買取相場は低い傾向にあります。車検証の「初度登録年月」を確認して、車の年式を確認しておくのも良いでしょう。

走行距離

走行距離は、買取相場に大きく影響を与える要素です。中古車業界では「1年1万km」を平均的な走行距離として規定しています。

1年1万kmの平均距離に、愛車の経過年数をかけてみましょう。5年経過している場合、基準となる走行距離は「5年5万km」です。基準の走行距離よりも多く走行していた場合は、買取相場が低くなる可能性もあります。

総走行距離が基準以下であったとしても、長期間放置していた車は買取相場が低くなることもあるため注意しましょう。

ボディカラー

人気のあるボディカラーであれば、買取相場は高くなるでしょう。人気のあるボディカラーは、主に「ホワイト」「ブラック」「シルバー」の3色です。新車購入時にこの3色を選ぶユーザーが多いため、中古車市場においても人気があります。

人気のないボディカラーは「グリーン」「イエロー」「ゴールド」など、個性のあるカラーです。個性のあるカラーは好みが分かれるため、買取相場は低くなるでしょう。

修復歴があるか

修復歴の有無は、車の内部にある「フレーム」が損傷を受けたかどうかで決まります。事故歴があると、車の買取相場は大きく低下します。

フレームは車の骨格であり、損傷した場合は安全性を、寸分の狂いなく修復できるとは限りません。

骨格が歪んだままだと「真っすぐ走れない」「カーブで車体がふらつく」などの問題が発生する恐れもあるため、中古車市場での需要は低くなります。

骨格部分まで直す「修復歴」がある場合は、査定時に申告をしておきましょう。プロの査定士は事故の有無を見抜く力を持っています。

事故車であることを申告せずに後で修復歴が発覚した場合は、契約不適合責任を負うなどのトラブルにつながることもあるでしょう。修復歴を隠さず、全てを正直に話すことが大切です。

オプション

車に装着されている純正オプションが多いほど、買取相場は高くなります。特に人気が高い純正オプションは、エアロパーツやカーナビ、本革シート、サンルーフなどです。

純正オプションの中でも、ディーラーオプションよりもメーカーオプションのほうが人気は高い傾向にあります。

メーカーオプションは、メーカーの工場で装着するため、新車購入時でしか取り付けられません。そのため、納車後でも取り付けられるディーラーオプションよりも価値が高く、買取相場も高くなります。

車の買取相場の調べ方

買取相場は市場の需要が関係するため、その時々で金額が変わります。変化の激しい買取相場は、どのようにして調べたら良いのでしょうか。

消費者側で買取相場を調べる方法はいくつかありますが、選ぶ方法により金額に差が生まれます。それぞれの特徴を知り、使いやすく分かりやすい方法を選びましょう。

相場検索の機能を提供しているウェブサイトを活用する

大手買取店のウェブサイトでは、過去の買取実績を基に作成した「相場検索機能」を設けているケースがあります。検索に必要な項目を入力または選択するだけで、すぐに買取相場の確認が可能です。

入力項目は業者によって異なりますが「メーカー」「車種」「グレード」「年式」が一般的です。より細かい項目を設定している場合は、少ない情報で検索する場合よりも高い精度が期待できるでしょう。

中には、数年後の相場予測や買取価格推移をグラフ表示するウェブサイトもあります。「どこまで知りたいか」を基準に、利用するウェブサイトを決めても良いでしょう。

メーカーサイトの下取り価格シミュレーターを活用する

トヨタやレクサス、日産などの一部のメーカーサイトでは、下取り価格を調べられるシミュレーターを設けています。買取相場検索同様、メーカーや車種、年式などを入れるだけで金額の確認が可能です。

自社・他社問わず調べられるものの、著しく古い車は自社であっても調べられない場合があります。愛車が選択肢に含まれていない場合は、他の方法で相場を調べましょう。

下取りシミュレーターの注意点は、条件が「下取り」であることです。買取と下取りは査定方法が異なるため、買取相場と一致しない可能性があります。

中古車販売時の相場から予測する

買取相場検索や下取りシミュレーターに比べ難易度が高くなりますが、中古車販売時の相場から予想する方法もあります。

中古車販売店では、販売価格を買取価格と利益を「7対3」の割合で決めていることが多いため、この割合を使うことで大まかな相場の算出が可能です。

中古車販売価格を使って買取価格を算出するには、販売価格に0.7をかけることで求められます。愛車と近い条件の車であることが重要になるため、中古車市場への流通が少ない車は下準備に時間がかかるかもしれません。

業者が公開している買取実績を確認する

相場検索機能はないものの、過去の買取実績を公開している買取業者もあります。一覧で紹介しているウェブサイトを選ぶと、愛車により近い条件の車を見つけられるでしょう。

買取実績を確認する場合の注意点は、査定を行った時期です。車の相場はモデルチェンジや人気などで変わるため、期間が経ちすぎている場合は参考にならないかもしれません。

実績一覧は査定時期順に並んでいるとは限らないため、査定時期は注意深く確認するようにしましょう。

車の買取相場を調べるには最低限の車種情報が必要

買取相場を調べるには、対象となる車の情報が必要です。必要になるのは、メーカーや車種名といったすぐに分かるものに加え、車検証を確認しないと分からないものもあります。

調べ始めてから困らないように、買取相場を調べる前に何が必要になるのか、どこで確認するのかを把握しておきましょう。

必要となる主な車種情報

買取相場を調べるには、価格に大きな影響を与える以下の情報が必要です。

「年式」は、その車が初めて登録（軽自動車は届出）された年を指します。2016年に初年度登録がされた車であれば、年式は2016年です。

買取相場を調べる上で年式は重要な項目になるため、年式があやふやな場合は車検証を見て確認しておきましょう。この他、駆動方式やエンジンタイプなどが必要になる場合もあります。

まずは車検証で基本情報をチェックしよう

愛車の基本情報は、車検証で確認できます。車検証は大きく分けると2種類あり、従来の紙タイプ、ICタグが付いた「電子車検証」のどちらかです。紙タイプの車検証と電子車検証は記載内容に若干の違いがありますが、買取相場に必要な情報はどちらもしっかりと確認できます。

車検証で確認するのは、年式と型式です。型式は分類する識別記号で、数字とアルファベットで構成されています。買取相場を調べる上では年式ほど必要にはなりませんが、必要になることもあるため覚えておきましょう。

走行距離は車のオドメーターで確認しよう

オドメーターは「積算距離計」ともいい、車が製造されてから現在まで積み重ねた走行距離を示すメーターです。車のメーターにはオドメーターの他に「トリップメーター」というものがありますが、これは区間走行距離のため間違えないようにしましょう。

オドメーターは車種やメーカーによって表示される場所や表示方法が異なり、デジタルメーターの場合は「ODO」と書かれています。メーターを見ただけでは判断できないという方は、取扱説明書でオドメーターの場所を確認しましょう。

内外装のコンディションをチェックしておこう

内外装のコンディションも買取価格に影響するため、一部のウェブサイトでは内外装の傷などを入力する項目を設けています。

全ての箇所を細かく見る必要はありませんが、ボディの傷やシートの破れなど、見てすぐに分かる状態だけでも把握しておきましょう。

内外装のコンディションは、実際の査定でも細かくチェックされます。できるだけきれいな状態で査定に出せるよう、コンディションチェックと併せて掃除が必要な箇所を確認しておくと安心です。

事前に調べられる買取相場はひとつの目安として捉えよう

愛車の買取相場を調べていく中で、金額を見て一喜一憂することもあるでしょう。高い金額であれば今すぐ売ろうと考えるかもしれませんが、相場はあくまでも相場です。

簡単に調べられるメリットはあるものの、鵜呑みにすると査定額を見てがっかりしてしまうこともあります。買取相場を調べる上での注意点も確認しておきましょう。

事前に調べられるのはあくまでもおおよその相場

買取業者が公表している買取相場は、過去の実績を基に出したデータです。同じ車種・グレード・年式であっても、内外装のコンディションや走行距離は一台一台変わります。

また、買取相場は市場の人気やその時の流行でも変わるため、その金額がこの先も保たれるとは限りません。自宅にいながら調べられるメリットはあるものの、調べられる金額は「おおよそのものでしかない」ということを理解しておきましょう。

正確な買取価格を知るには査定の実施が必要

正確な買取価格を知りたいという場合は、買取業者に査定を依頼しましょう。車は一台一台状態が変わるため、年式や走行距離などでは判断しきれない部分もあります。実際に車を見てもらい、愛車そのものの価値を判断してもらうことが大切です。

また、車の買取価格は業者によっても変わってきます。正確な買取価格に加え、少しでも高く売却できる業者を見つけたいという場合は、2社～3社で査定を受けるようにしましょう。

車の買取で意識したいポイント

車をより高く売るためには、ポイントを押さえて査定に出すことが重要です。高く売るためのポイントは5つあります。

ここでは「高く売れる時期に売却する」「車をきれいにする」「修復歴を伝える」「アピールする」「一括査定の利用」の各ポイントを、詳しく見ていきましょう。

高く売れる時期に売却する

車の買取相場は、1年を通して常に変動します。高く売れる時期があるため、その時期に売却しましょう。高く売れる時期は、1月～3月、9月～10月です。2つの時期は、どちらも買取業者の決算期に当たります。

1月～3月は会社の本決算、9月～10月は中間決算です。決算前、最後に少しでも売上を伸ばそうとするため、ディーラーは「決算セール」を開催する場合があります。消費者は決算期に安くなるのを狙って購入するため、新車や中古車を問わず需要が一気に高まる時期だと言えるでしょう。

業者は高まる需要に対応するため、供給量を増やそうとします。在庫を増やすために普段よりも高値で買取する可能性があるため、1月～3月、9月～10月に売却をしましょう。

費用をかけない範囲で車をきれいにする

車を査定に出す前には、自分でできる範囲をきれいにすることが重要です。汚い車よりもきれいな車のほうが、イメージが良くなるでしょう。

「車のきれいさ」という査定項目はありません。しかし、普段から車を大切に乗っていたという印象を与えられ、査定額アップにつながる可能性があります。

車体にある小さな傷は、自分で修復しても構いません。しかし、余計に傷が付く恐れもあるため、作業には細心の注意が必要です。

大きな傷やへこみの場合は、修理費用のほうが高くなる可能性があります。かかる費用を考慮して、修理するかそのまま出すかを決めましょう。

修復歴があれば隠さず素直に伝える

修復歴があるという場合は、査定を依頼するときに正直に話しましょう。査定士は、今まで数多くの車を見てきた査定のプロです。修復歴を隠していても最終的に見抜かれ、嘘だと分かると査定額を下げられる可能性があります。

修復歴があることを伝えないまま車を売却し、後で修復していることが発覚した場合、減額要求をされるなどトラブルが発生するかもしれません。修復歴を申告しなかったり嘘をついたりしても、デメリットしかないことを覚えておきましょう。

アピールポイントを積極的に伝える

査定では、査定士とのコミュニケーションも重要な要素です。アピールポイントがあれば、積極的に査定士へ伝えましょう。

例えば、エンジンオイルやエレメントを通常よりも早いペースで交換していたことも立派なアピールポイントです。オイルの劣化前に交換をすることで、エンジンに与える影響を減らせます。内燃機関が良好な状態であることのアピールにもつながるでしょう。

ボディに傷やへこみなどの損傷がある場合は、程度に応じて査定額が低くなります。テールランプやヘッドランプの欠けや割れなども、重要なチェックポイントです。

一括査定サイトを利用する

一括査定のメリットは、高く売れる買取業者を手軽に見つけられることです。複数の買取業者に一括で見積もり依頼を出せるため、その中で最も高い査定額を提示する買取業者へ売却できます。

通常であれば複数の店舗を回って査定を依頼しなくてはなりませんが、一括査定であれば車両情報と個人情報の入力だけで複数の買取業者に査定を依頼できます。

また、時間や場所を選ばず査定を申し込めるのも魅力です。多忙な方も、移動時間や休憩時間を使って査定を依頼できます。

相場よりも高値で売りたいならカービュー 車買取がおすすめ

車の買取価格は買取業者によって変わるため、複数の業者の査定を受けることが理想です。しかし、限られた時間の中でいくつもの業者を回るのは、忙しい方にとって苦痛でしかありません。

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まとめ

車の買取相場は、車種やグレード、年式、走行距離などさまざまな要素で決まります。買取業者のウェブサイトやメーカーの下取りシミュレーションでおおよその金額は確認できますが、その金額が実際の買取金額となることはありません。

正確な買取金額を知りたいという場合は、査定に出して愛車の価値を判断してもらいましょう。

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