車が全損状態でも買取してもらえる? 全損の基準や適用される保険も解説
車の事故による損害は、損害の程度によって「全損」と「分損」に分けられます。今回取り上げる「全損」とは、保険対象の車が修理不可能な状態であることを指します。この全損の場合に、「全損状態の車は廃車処分にするしかない」と考える方も多いのではないでしょうか。
実は全損状態の車にも価値があり、意外と高値で買取してもらえることもあります。この記事では、全損状態の車が買取してもらえる理由や、事故の際に適用となる保険の詳細を解説していきます。
目次
マイカーの乗換えを検討中の方!愛車の現在の価値、気になりませんか?
車の買取相場を調べる全損車でも買取してくれる?
愛車が全損になってしまった場合、買取ってもらうことは不可能だと思う方も多いでしょう。しかし、全損した車にも値段が付く可能性が十分あります。
そこで、なぜ全損車の場合での価値があるのかについて解説していきます。廃車として処分するよりもお得なので、廃車にすると決める前に一度検討してみましょう。
全損車でも高値が付く可能性がある
たとえ全損車であっても、最適な買取方法を選ぶことでお金になる可能性があります。買取業者や輸出業者などに持ち込めば「解体して使えるパーツのみ売却する」「海外へ輸出して修理し再販する」「鉄くずとして売却する」などの使い道があります。
そのため、損傷の程度や車種によって査定額が算出されて、代金を受け取れるのです。状況だけで判断し諦めて廃車にする前に、まずは買取を検討してみてください。
新しい年式の車なら高額査定も目指せる
年式が新しい車は、全損車も比較的高く買取ってもらえる傾向にあります。具体的に言うと新車登録から3年以内、最初の車検前の車が目安です。
たとえば、上記の条件で新車価格が400万円以上もする高級車であった場合、全損でも状態によっては200万円を超える買取価格が付くこともあります。年式が新しければ価値があるとされる傾向があるのです。
海外で人気の車種も査定額はつく
国産車は海外での人気が高く、たとえ全損車でも修理して再販すれば買い手が付きます。日本国内では修理せず、そのまま海外に輸出して修理費が安い国で修理を行い、中古車として再販するのです。
海外のユーザーは、日本人に比べると車の事故歴や修復歴、走行距離などをあまり気にしない傾向にあります。そのため、特に人気のある車種であれば、全損車であっても高額査定が期待できるでしょう。
古い年式の車もまずは査定依頼がおすすめ
年式が古い全損車の場合、買取は無理だと思ってしまう方も少なくないでしょう。しかし、実際には廃車処分にするよりも、買取業者に依頼した方がかなりお得です。一般的に、廃車処分には最低でも3万円程度の費用がかかります。この中にはレッカー代や車の処分費用、書類手続きの代行費などが含まれています。
一方、全損車を買取業者に買取ってもらう際には、上記のような諸費用が一切かからないところがほとんどです。さらに、人気の車種や希少な車種であれば10万円前後での買取も期待できます。
全損車の定義とは?
全損には、おおきく分けて「物理的全損」と「経済的全損」の2種類があります。車の全損判定には一定の基準があり、損傷の状態と併せて物理的全損と経済的全損に分けられます。
ここでは、全損の扱いとなる定義について、物理的全損と経済的全損に分けて紹介します。
「物理的全損」について
物理的全損とは、事故や災害によって車が物理的に修理できないほどの酷い損傷を受けてしまった状態を指します。
たとえば「事故に遭って乗っていた車が全損した」という場合は、「物理的全損」と捉えられるでしょう。また、車が盗難に遭った場合も損傷に関係なく物理的全損になります。
「経済的全損」について
経済的全損とは、車の修理が可能な損傷を受けている状態で、尚且つ修理費用が現時点の車価を上回っている場合を指します。分かりやすく言うと「修理するよりも新しい車を買い直した方が安くなる」状態です。
そのため、事故などで損傷を受けた車両が修理可能だとしても「経済的全損」として扱われることがあります。
車両保険(任意保険)によって補償されるもの
万が一の時の車に対する補償として、車両保険があります。そして、車両保険には「一般型」と「限定(エコノミー)型」の2つのタイプがあり、目的に合わせて種類を選び加入することになります。
どのような違いがあるのか、以下でそれぞれを分かりやすく解説します。ぜひ保険に入る際の参考にしてください。
一般型
一般型は、補償範囲が広い車両保険で車両事故のほとんどを補償されます。保険会社によっては「ワイドカバー型」と呼ばれることもあります。補償範囲が広い分、限定(エコノミー)型に比べ保険料が高くなっています。
一般型の場合、以下のような補償が受けられます。
- 他の車(原動機付自転車を含む)との衝突・接触
- 相手が不明の当て逃げ、自転車との接触
- 電柱や縁石にぶつけてしまった
- 車庫入れで誤ってぶつけてしまったなどの自損事故
- 車が盗難に遭った場合
なお、地震や噴火などの天災による被害に対して補償が受けられるかは、加入している保険会社によって異なります。補償外でも、特約によって補償範囲に加えられることもあります。対象となる補償内容をきちんと確認しておくようにしましょう。
限定(エコノミー)型
限定(エコノミー)型は、一般型に比べると補償範囲が狭い車両保険です。保険会社によって「限定カバー型」と呼ばれ、必要な補償内容に絞ることで、保険料を節約できるのが特徴です。先述した一般型の項目のうち、限定(エコノミー)型では以下のような補償は対象外です。
- 対象外となる項目の例
- 相手が不明の当て逃げ、自転車との接触
- 自損事故に該当する場合
- 駐車中の車両損害で相手が不明の場合
「少しでも保険料を抑えたい」「相手のいる事故や災害による損傷に対しては補償不要」と割り切れる方であれば、限定(エコノミー)型がおすすめです。また、保険料を抑える方法として「免責金額(自己負担額)」を高く設定する方法もあります。
任意保険の特約によって補償されるもの
一般的な補償内容を紹介してきましたが、万が一に備え任意保険に特約をつけることで補償範囲を手厚くすることが可能です。
また、特約の内容は保険会社によって異なります。そこで、一般的な任意保険の特約をご紹介しますので、保険代理店などに勧められるままに加入するのではなく、自分に必要な内容であるか吟味したうえで選択しましょう。
車両新価特約(新車特約)
車両新価特約(新車特約)とは、契約している車が全損または半損し、修理費用が新車価格相当額の50%以上となった場合に、新車を購入するための費用を補償してくれる特約です。
たとえば車を購入して3年目、見た目も新車同然のタイミングで全損事故に遭ってしまった場合、ユーザーとしては「ほぼ新車同然だったのだから、修理するよりも買い換えてまた新車に乗りたい」などの気持ちがあるかもしれません。その際役に立つのが「車両新価特約(新車特約)」です。
一般的に、車両新価特約(新車特約)は、初度登録年月日から11〜61か月以内の車が加入できます。元の車の新車価格相当額を限度に、保険金として費用を受け取れるのです。ただし、盗難や内外装・外板部品のみの損傷の場合は対象外なので注意しましょう。
地震・噴火・津波車両全損時一時金特約
地震・噴火・津波車両全損時一時金特約とは、自然災害によって車が全損した場合に、一時金を受け取れる特約です。通常の車両保険では、地震や噴火、津波や洪水、その他自然災害による車の損害は補償されません。地震・噴火・津波車両全損時一時金特約で、万が一の災害に備えられます。
災害により契約した自動車が全損となった場合、中古車や新車購入、または生活再建のために一時金として平均50万円ほどを受け取れます。ただし、車両保険金額が50万円を下回っている場合は、車両保険の金額が受け取れる上限となります。
故障運搬時車両損害特約
2019年に開始された「故障運搬時車両損害特約」は、契約した車が事故や故障で走行不能となりレッカー移動になった際、協定保険価格または平均100万円ほどの、いずれか低い額を限度に補償を受け取れます。事故の他、故障によるトラブルにも備えられます。
料金は比較的安く、年間約数千円で付帯可能なところも魅力です。なお、「補償は契約している保険会社へ事前連絡した場合に限る」といったケースも少なくないので、事前に確認しておきましょう。
事故被害で車が全損した場合の保険適用について
それでは、事故による被害で車が全損した場合、適用される保険について解説します。万が一のリスクを避けるためにも、できるだけ保険には入っておいた方が良いでしょう。
加害者に請求できる「対物賠償責任保険」
交通事故で車が全損扱いになった場合、加害者の加入する保険の「対物賠償責任保険」で損害賠償を請求できます。対物賠償責任保険では、相手の過失による自動車事故が原因で車や財物に損害が生じた場合、相手には法律上の賠償責任が発生し、被害者は保険金を受け取れます。
基本的に請求できる保険金は以下の項目です。
- 車体費用
- レッカー代
- 保管費用
- 登録手続き費用
- 廃車費用
- 代車費用
- 事故によって生じた休業による損害
保険会社に補償してもらえる内容を確認
交通事故によって車が全損となった際に、自分が加入している保険会社に請求できる補償もあります。保険の種類や特約によって内容が異なるので、自分の加入している保険会社に確認すると良いでしょう。
請求できる可能性があるのは、以下の保険金です。
- 車両保険
- 新車購入時の費用
- 車を買い替える際の諸経費
- 経済的全損の修理費
- 代車費用
事故で全損した車の修理代は保険でカバーできる?
事故で車が全損となった場合、車両保険に加入していれば保険金がおります。車両保険は自動車保険のひとつです。主に、事故による損傷の修理代、廃車になった場合に買い替えに必要となる費用、またプランによっては当て逃げによる車の修理代を補償してもらえます。
ただし、車両保険は強制的に加入する保険ではなく、加入するかどうかは自分で選ぶことになります。車の修理や買い替えには大きなお金がかかります。万が一のことを考え、加入しておくと良いでしょう。
事故車を修理するか売却するかはコストで決めよう
事故車を修理するか否かは、かかる修理費用と査定額を比較して決めましょう。事故などによって車両の骨格部分を損傷した場合、「修復歴車」となり買取時の査定額が大きく下がってしまいます。
修理の見積もりの結果、車両保険でまかなえないほど修理代が高額の場合は、修理せずにそのまま売却するのも良いでしょう。そうすれば、受け取った保険金を新車の購入資金に充てることもできます。
一方、修理代より買取金額が高いようであれば、修理をして査定を受けるのも一つの手段です。ただし、保険を利用すると翌年度からの保険料が高くなるので注意が必要です。
全損車はどこで売るべき?状態別のおすすめ売却先
全損車でも、車両の状態や骨格部分まで損傷しているか否かで、おすすめの売却先が変わってきます。お得に全損車を手放すためにも、車の状態にあった売却先を選びましょう。
骨格まで損傷してなければ「中古車買取業者」
全損車のなかには、車体に損傷があるだけで骨格部分には問題がないケースもあります。走行可能であれば、中古車買取業者に相談や査定依頼をしてみるのがおすすめです。このような例は、特に古い車に多く見られます。
古い車の場合、修理にかかる費用が車両保険で定めている「全損の場合に支払われる金額」を上回ることが多く、「全損車」扱いになるからです。
骨格まで損傷した車は「海外輸出業者」
全損車の多くを占めるのが、骨格部分まで大きく損傷した車です。骨格まで損傷した車の場合、前述した古い車と同じく修理費が高額となり「全損車」扱いになります。しかし全損車でも、海外輸出に特化した事故車買取業者(海外輸出業者)に依頼することで、他の買取店より高値で買取してもらえる可能性があります。
とくに海外で人気のある車種であれば、高額査定も期待でき、海外へ輸出してから安い費用で修理し中古車として再販されることが少なくありません。
損傷が大きく修復不能な車は「廃車買取」
修復が不可能なほど大きな損傷となっている全損車は、「廃車買取業者」に相談するのがおすすめです。自分で全損車が修復できるかどうかを見極めるのは難しいため、車を引き上げた業者などに聞いてみると良いでしょう。
廃車買取業者では買取価格が付かないような車でも引き取ってもらえます。たとえ査定価格が0円であっても、経費を支払うことなく全損車を処分できるのです。自分でスクラップ工場に持ち込んで廃車にするよりもお得に済みます。
全損車の買取なら「carview!車買取」がおすすめ
全損車の買取先を探すなら、carview!車買取の事故車買取一括査定サービスがおすすめです。通常の中古車買取業者を探すのに比べ、全損車の場合は廃車手続きやレッカー代なども関わってくるため、より慎重に買取業者を選ぶ必要があります。選び方を誤ると、お金にならないどころか逆に廃車費用を請求されてしまうこともあります。
事故車専用の一括査定サービスを提供
中古車一括査定サービスを提供しているcarview!車買取は、買取に出す車の状態に応じて2種類の中古車一括査定サービスを提供しています。通常の愛車無料一括査定サービスの他、事故車・不動車・故障車・水没車、全損車を対象とした事故車買取一括査定サービスを行っています。
安易に廃車にしてしまっては費用や手続きなどの負担が伴うでしょう。その点、事故車買取一括査定サービスを利用すれば、さまざまな費用や手間をかけずに現金買取が目指せます。
見積額を最大10社から比較!高額査定が狙える
carview!車買取が提供する愛車無料一括査定サービスと同様、事故車買取一括査定サービスでも条件に合った最大10社に一度で査定を申し込めます。carview!車買取は、全国各地に300社以上のJPUC加盟店や認定買取店と多数提携しています。
損傷が酷い車であっても、専門業者に買取してもらうことで適切に価値を判断してもらえます。1社に絞ってしまうのではなく、複数の買取業者からの査定額を比べることで、より高値査定も狙えるでしょう。
まとめ
全損した車にも値段が付く可能性が十分あり、年式や海外での需要によっては高額査定の可能性もあります。愛車が事故に遭い損傷した場合、車両保険の補償を受けられます。また、任意保険に付いている特約には万が一の際に役立つものが多いので、加入を検討してみることをおすすめします。
車が全損した際の保険金は、レッドブック(オートガイド自動車価格月報)の中古車小売価格を基準に決められています。もし保険金に納得がいかない場合、レッドブックを基に保険会社と交渉すると良いでしょう。全損車を売る際は、車両の状態や骨格部分への損傷の有無で、おすすめの売却先が変わります。愛車の状態にあった売却先を選ぶ際には是非、carview!車買取をご活用ください。
#車買取
- お見積もりを依頼
- 買取店から電話か
メールでご連絡 - 査定を実施
- 査定額を比較し
売却先を決定
LINEヤフー株式会社は、一般社団法人日本自動車購入協会のウェブサイト監修を受けています。
中古車一括査定サービスご利用ユーザー様の声
買取カービューの愛車無料一括査定サービスを利用したユーザーのクチコミです。一括査定ならではの評判・体験談をチェックしましょう。
-
- 実際の査定金額
- 70.0万円
- 見積り数
- 5社
- 査定満足度
- 3.5
ユーザーコメントオートバックスの担当者の対応や説明が良心的で、査定額を前提なしに短時間で提示し、大変信頼できると思った。当初はほぼこちらに決めていた。しかし、最後になってビッグモーターからさらに高い金額が示されたので、決めた。
-
- 実際の査定金額
- 63.9万円
- 見積り数
- 5社
- 査定満足度
- 5
ユーザーコメント一番高い値段を出して頂き、来て頂いた営業も とても感じのいい人であった。 後からクレームなど無し、という条件をのんで 頂いた上での交渉でしたが、価格決定後に、 無料でクレームガード保証も入れて頂き、とても安心したお取引が出来ました。 是非車を売却する際にはまたお願いしたい。
-
- 実際の査定金額
- 75.0万円
- 見積り数
- 8社
- 査定満足度
- 5
ユーザーコメントはじめて車を売却するので同時刻に合同査定をしていただきました。合計8社の中ダントツぶっちぎりの高値を出していただいたのがユーポスさんです。やっぱり値段で決まりですね。
※ 当社は、クチコミの内容およびこれを利用した結果について、何ら保証するものではなく、一切の責任を負いません。
※1 2019年4月時点 当社調べ