車買取に必要な自動車リサイクル券とは？還付される場合や手続き方法を解説

車を買取してもらう際には、自動車リサイクル料を支払ったことを証明する「自動車リサイクル券」の提出が求められます。普段はあまり気にすることがないため、「自動車リサイクル券とは何か」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、車買取に必要な自動車リサイクル券とはどのようなものか、買取時に還付される場合とされない場合について解説します。車買取で必要な書類についても解説するので、把握すればスムーズな売却が可能となるでしょう。

車の買取時に必要なリサイクル券とは

車を新車や中古車として購入した際に、「リサイクル料金」を支払うように説明を受けることがあります。しかし、車のリサイクル券について、あまり理解できていない方も多いのではないでしょうか。

車を購入した時だけでなく、売却や廃車で手放す時もリサイクル券は使用します。そこで、ここでは車のリサイクル券について解説していきます。

リサイクル費用を支払った証明書

「リサイクル券」は、車部品のリサイクルにかかる費用を先払いしたことを証明する「預託証明書」です。車を廃車する際に有用な資源を再利用することを目的に、2005年に「自動車リサイクル法」が制定されました。

「自動車リサイクル法」は、廃車の適正な処理とリサイクルのため、自動車メーカーや引き取り業者（販売店、整備工場）などにリサイクルを義務付ける内容となっています。

車の所有者には、「シュレッダーダスト」「エアバッグ」「フロン類」の処理にかかる費用負担が義務付けられました。所有者がリサイクルにかかる費用を支払うと、証明として「リサイクル券」が付与される仕組みです。廃車まで必要な書類のため、大切に保管しておきましょう。

リサイクル料金の目安

車の特定部品の処理費用としてリサイクル料金がかかります。メーカーや車種によって部品は異なるため、金額は一定ではありません。詳細は、自動車リサイクルシステムのホームページでの料金表を確認しましょう。料金の目安は以下になります。

また、リサイクル料金には下記の管理料金が加算されます。

リサイクル券は4枚のセット

リサイクル券は、1枚の紙に4つの券がまとめられています。A〜D券に割り振られ、それぞれ役割が違います。リサイクル券は、車を廃車にする時や売却する時に必要となりますので、車検証と一緒にしておくなどして保管しましょう。

＜A～D券がそれぞれ持つ役割・意味＞

リサイクル料金が返金される場合・されない場合

車を売却するか廃車手続きを行うかどうかによって、リサイクル料金が返金されるのか異なってきます。返金される場合と返金されない場合の、2つのケースに分けて解説します。

返金されるケース

中古車として下取りや売却した場合は、車購入時に支払っていたリサイクル料が返金されます。リサイクル料は、車を廃棄処分する際にかかる費用を前払いして（預けて）おくものです。

その車を中古車として使い続ける場合、次のユーザーが新たにリサイクル料を負担し、売主に返金される仕組みですので、リサイクル券は必ず渡すようにしましょう。

リサイクル料は、資金管理法人の公益財団法人自動車リサイクル促進センターが運用・管理を行っています。返金される時は、中古車の売却先となる業者などを通じ、管理法人から返金されます。

返金されないケース

リサイクル料金が返金されないのは、廃車の手続きをする場合です。廃車は車を最終的に処分するものであり、車の購入時に支払っていたリサイクル料を使って解体されます。したがって、リサイクル料金は廃車時における最後のユーザーが支払うことになります。

廃車にすることが決まった車であっても、自動車税や重量税の還付を受けられるケースがあるので確認しておきましょう。重量税の還付は永久抹消登録の場合、車検期限が1か月以上残っていれば可能です。廃車をする予定の車に車検期限が迫っている場合、早めに処分依頼をすることをおすすめします。

リサイクル料金返金の手続き方法

リサイクル料金の返金について、手続きの方法を紹介します。相手が業者であっても、個人間取引であってもリサイクル券は必要です。スムーズな手続きのために、手順を詳しく見ていきましょう。

車を買取業者に売却した場合

買取業者に車を売却する場合は、査定金額にリサイクル料が上乗せされることがほとんどでしょう。返金を受けるための特別な手続きはありません。買取業者の中には、車両の査定金額とは別に返金するところもあります。

ユーザーが納めたリサイクル料金は、リサイクル券に記載されています。金額に誤りがないか、査定金額の内訳など気になる点は買取業者に確認しましょう。

車を個人に売却した場合

個人間での売買取引でも、買取業者と同じようにリサイクル料金の返金を受け取ります。買取金額に合算したり、リサイクル料金だけ別途返してもらったりすることも可能です。

その際は、必ず買取金額にリサイクル料を含めるのかについて、内訳を書面に残すようにしておきましょう。曖昧にしておくと、売り主と買い主の間で思わぬトラブルになる場合もありますので、注意が必要です。リサイクル料金についての話し合いだけでなく、リサイクル券原本またはリサイクル料の支払い状況の書類を引き渡すようにしましょう。

車の買取時にリサイクル券を紛失！対処法はある？

車の売却時や廃車時に必要なリサイクル券ですが、思わぬ場面で紛失してしまうこともあります。たとえば事故や盗難、車検時などで紛失した場合はどのように対応したら良いのでしょうか。

リサイクル券は、再発行ができない書類です。破損したりや見つからなかったりした場合は、リサイクル券の代わりとなる書類を自分で印刷することになります。買取業者に印刷を依頼することもできますが、手数料がかかるケースもあるので注意しましょう。

代替となるページの印刷の手順は簡単です。まず、自動車リサイクルシステムのHPから検索し、「リサイクル券の預託状況」というPDF形式の書類を印刷します。車検証を見ながら、車体番号などを入力します。

この時に「預託済み」が確認できれば、リサイクル料を支払っている証拠です。PDFファイルを印刷して買取業者に渡せば完了です。自動車リサイクルシステムの利用可能時間は7:00～24:00ですので、時間内に利用するようにしましょう。

車の買取時に自動車リサイクル券以外に必要なもの

車の買取では、さまざまな書類が必要となります。ほとんどの書類を車のグローブボックスに保管している方も多いでしょう。中には発行が必要な書類もあるため注意が必要です。また、紛失時は再発行の手続きをしなければいけません。手間がかかる場合もあるため、早めの確認が重要です。

電話査定を依頼する際に、どのように業者を選べば良いかについて解説します。数ある業者の中から、ふさわしい業者を選べるでしょう。

自動車検査証

自動車検査証は、「使用者や所有者の氏名」「車台番号」「初年度登録年月」などが記載されています。法律によって車に備え付けておくことが義務付けられているため、グローブボックス内に保管されているのが一般的です。紛失していないか、確かめておきましょう。

もし紛失した場合は、普通自動車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で再発行が可能です。平日のみ受付のため、多忙な方であると再発行に行く時間の確保が難しいかもしれません。保管されているか、早めにチェックしておきましょう。

自動車税納税証明書

自動車税納税証明書は、その名のとおり自動車税を支払ったことを証明する書類です。自動車税は、毎年4月1日時点で車を所有しているユーザーに課されます。5月上旬に送付され、5月末日までに支払う流れです。

支払い後に紛失した場合は、普通自動車は都道府県の税事務所、軽自動車は市区町村の窓口で再発行できます。自動車検査証の再発行と同様に、再発行の手続きができるのは平日のみです。再発行が必要な場合は早めに対処しておきましょう。

自賠責保険証

自賠責保険証は「強制保険」とも呼ばれる自賠責保険への加入を証明する書類です。法律で車への備え付けが義務付けられているため、車検証と一緒に保管している方が多いでしょう。

紛失した場合は、契約している保険会社に連絡して、再発行を依頼しましょう。もし契約している保険会社が不明であれば、車検整備をした業者に確認を取ります。自賠責保険は車検時に加入するケースが多く、業者は毎回同じ保険会社を利用していることも多いため、どこの保険会社であるかが判明するケースが多いでしょう。

印鑑証明書

印鑑証明書は、持参した実印が市区町村で実印登録されていることを証明する書類です。車の買取の際、委任状や譲渡証明書に実印を使うため実印登録されているか証明するために必要となります。

印鑑証明書の期限は特に定められていませんが、一般的には「発行後3か月以内」の書類とされています。買取業者によって異なる場合があるので、確認してみましょう。発行は市区町村の役所で行います。なお、軽自動車の売却の場合は必要ありません。

印鑑

普通自動車の買取には、実印が必要です。ユーザーは、委任状や譲渡証明書に実印で押印をしなくてはいけないためです。普通自動車は、「動産」として扱われます。国土交通省管轄の運輸支局で名義変更をするため、委任状や譲渡証明書は実印での押印が必要となります。

軽自動車の買取に実印は必要ありません。軽自動車の名義変更は軽自動車検査協会で行われます。軽自動車は動産として扱われないため、書類のやり取りは認印でも可能です。

リサイクル券以外にも手続きが多い車の買取は信頼できる業者に頼もう

車の買取を依頼する際は、「リサイクル券」以外にもさまざまな書類が必要となります。多くの手続きがあることで、スムーズに進まないとトラブルが発生するかもしれません。

そのためにも、信頼のおける買取業者に依頼することが重要です。ここでは、信頼のおける買取業者を選ぶ際のポイントを4つ紹介します。それぞれを詳しく見ていきましょう。

スタッフの接しやすさをチェック

実際に店舗を訪れる、電話をかけてみるなどして、スタッフの接しやすさをチェックすることは重要なポイントです。スタッフの対応が良いか、質問しやすい雰囲気であるかなどを確認しましょう。

買取依頼をしたことがない方は、不明点が発生することが考えられます。不明点があっても気軽に聞きやすいスタッフであれば、買取がスムーズに進みやすいでしょう。精神的なストレスも軽減され、気持ちの良い取引ができるのもうれしいポイントです。

業者の実績が重要

インターネットを利用して、買取業者の実績チェックを行いましょう。買取業者の実績チェックは、信頼性の高さの指標にできます。

実績が多ければ多いほど、信頼性や安心感が高まるでしょう。実績が多ければ、多くの知識やノウハウを有していることも強みと捉えられるでしょう。中古車市場における価値を正当に評価してもらえる可能性が高まります。

買取の段取りがスムーズかどうか

効率的な買取のためには、段取りがスムーズであるかも重要なチェックポイントです。車の買取は、査定や必要書類の提出など、多くの工程を踏んで最終的な入金まで進みます。

段取りがスムーズでないと余計な時間がかかり、多忙な方にとってはストレスがかかるでしょう。段取りの良い買取業者であれば、手続きに必要な書類を後から請求するなどの不備はないはずです。スムーズに入金まで進んでいくので、多忙で時間が取りにくい方でも安心できます。

クチコミの内容も重要な情報

クチコミの内容も重要であるため、インターネットでチェックをしましょう。クチコミは、実際に買取業者を利用した方の生の声を確認できます。悪いクチコミや良いクチコミまで、実にさまざまです。ユーザーの満足度が高いクチコミがある買取業者を選びましょう。

特に重要なクチコミは、「買取価格の満足度」「スタッフの対応」「店舗の雰囲気」「買取にかかった時間」などです。さまざまなクチコミを見て、信頼のおけそうな買取業者を総合的に判断しましょう。一括査定のサイトは多くの業者のクチコミが寄せられているので、有用な情報源になります。

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まとめ

「リサイクル券」とは、車を廃車した際にかかるリサイクル費用を、先払いしたことを証明する書類です。廃車の場合は還付がありませんが、売却先の買取業者が再販するのであれば、還付が受けられます。

買取の際は、「リサイクル券」以外にも手続きが多いため、信頼のおける買取業者に任せることが重要です。

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