代理人が車を売却するには委任状が必要！必要書類や手続き方法を解説

親族や友人から車の売却を代わりに行うよう依頼されることがあった場合、どのような書類が必要になるかご存じでしょうか。親族や友人の代わりに車の売却手続きをする際、あなたは代理人という立場になり、代理人が車の売却手続きを進めるためには委任状と呼ばれる書類が必要になります。
この記事では、自分名義ではない車の売却時に必要な委任状とは何かという点に加えて、委任状の他に必要な書類について解説します。ケース別に追加で必要になる書類についても解説しますので、自分名義ではない車を売却する必要がある際に、ぜひ参考にしてください。

車の売却に必要となる委任状の基本

自分名義ではない車を所有者の代わりに売却する場合、一般的な売買契約に必要な書類以外に、委任状と呼ばれる書類が必要となります。ここからは委任状の持つ役割と、入手方法や記入方法などについて解説します。

車売却の委任状とは

委任状は、代理人に車の売却手続きを依頼する際に必要な書類で、所有者が売買に同意していることを示すためのものです。また、車を売る際は名義変更手続きをしなければならず、名義変更手続きは新所有者の管轄地域の陸運支局と警察署窓口にて行います。

陸運支局と警察署窓口は平日しか開いていないため、平日に仕事をしている人は名義変更手続きを自分で行うことが難しい傾向にあります。その結果、自分の家族や買取店に名義変更手続きを代行してもらうケースも多く、その際に委任状が必要になります。

委任状に記述する内容
・受任者の住所・氏名
・委任する内容
・自動車登録番号または車台番号
・委任者の住所・氏名

委任状フォーマットの入手方法

車売却に必要な委任状にもさまざまな種類があり、申請目的に応じて必要となる書類も異なるので注意しましょう。主な車売却の申請目的に対しての委任状は以下の通りです。

・「廃車（一時抹消）」にする場合は通常の「委任状」が必要
・「廃車（永久抹消）」にする場合は「永久抹消・解体届出に関する委任状」が必要
・個人売買などの名義変更で車を「譲渡」する場合は「譲渡証明書」が必要

各委任状のフォーマットは国土交通省のウェブサイト上から入手できます。買取店に用意してもらわない場合、以下のウェブサイトから確認しましょう。

自動車の登録手続き - 関東運輸局

委任状の記入内容について解説

委任状を手に入れたら、必要事項を記入していきます。ここからはより具体的に各項目について解説します。特に「委任する内容」をどう書いたら良いのか悩む方も多いようです。委任状の記入の際に悩むことがないよう、事前に確認しておきましょう。

受任者の住所・氏名

受任者とは、実際に車の名義変更をする代理人のことで、買取業者や代行を請け負った人（代理人）が記入する欄です。買取業者が代理人の場合は、買取業者が記入してくれるので受任者の住所・氏名欄は空白のまま渡して問題ありません。代理人があなたになっている場合は住所・氏名を間違えることなく記入するようにしましょう。

委任する内容

委任状には委任する内容を記載する欄があります。記入する内容は、「移転登録」「変更登録」「抹消登録」といった代行する手続きの詳細です。車の売却に伴う名義変更の場合は以下の文面になります。

買取店が代理人になっている場合は、買取業者が記入してくれることが多いので買取店に任せても良いでしょう。

自動車登録番号または車体番号

委任状には車台番号や自動車登録番号を記入する欄があります。番号は車検証に記載されているので、車検証を確認したうえで記入します。また、車台番号とは車1台ごとに割り振られる番号のことであり、国土交通省が付与するものです。製造されてから解体されるまで車台番号が変更されることはなく、たとえ車の持ち主が変わったとしても車台番号はそのままです。

委任者の住所・氏名

最後に、委任者の氏名と住所の欄を記入します。委任者とは、代理人に書類上の手続きを依頼した人のことで、つまり車検証上の所有者のことです。この委任者の氏名と住所欄は必ず署名（本人が記入）でなければならず、代理人が代筆をしてしまった場合は委任状が無効となります。

トラブルを避けるために必ず本人が記入しましょう。また、捺印する印鑑は実印でなければならず、実印であることを証明するために印鑑証明書も併せて必要です。

委任状の必要枚数は？

委任状は1枚準備するだけで手続きが可能ですが、紛失してしまった場合に備えて2枚作成しておくと安心です。ただし、委任状のコピーは認められていないので1枚を複製して2枚にすることは避けましょう。

委任状の作成はそれほど難しいものではなく、車検証上の本人と連絡が取れる環境であれば比較的簡単に作成できるでしょう。委任状のテンプレートは前述したように国土交通省のサイトからダウンロード可能なので、自分で委任状を作成する場合はテンプレートを利用すると便利です。

委任状以外の売却に必要な書類

車の売却手続きには委任状以外にもさまざまな書類が必要になります。ここからはそれぞれの書類について解説します。紛失してしまった場合の対処法についても解説しますので、慌てずに対処しましょう。

車検証

車検証は運転する時は必ず携帯しなければならず、携帯せずに運転をしていると法律（道路運送車両法）に違反します。そのため、紛失してしまった場合はすぐに再発行の手続きが必要です。

車検証の再発行は管轄の運輸支局窓口で手続きをすると再発行可能で、代理人が申請する場合は車の所有者が押印した委任状が必要です。また、車検証に記載されている検査情報や車台番号などの情報はとても重要なもので、車の売却以外でも使います。

また、車検証は2022年度から電子化される予定になっていて、電子化に伴い一部の自動車の手続きがインターネット上でできるようになるようです。

自賠責保険証明書

自賠責保険は、車を所有しているなら加入する義務がある保険です。強制保険と呼ばれることがあり、車購入と同時に加入して車検のタイミングで保険料を一緒に支払って更新します。自賠責保険の更新をしていない場合、法律により、30万円以下の罰金が科せられます。更に、自賠責保険の更新をしていない状態で運転をしてしまうと、1年以下の懲役または50万円以下の罰金を支払うことになり、加えて免許停止処分となります。

車検証と同じく運転をする際に携帯することを義務付けられているので、車検証と一緒にダッシュボードに入っていることが多くあります。もし、自賠責保険証明書が無い場合は、すぐに車の所有者に連絡を取り、保険会社に再発行の申請をしてもらいましょう。また、自賠責保険証明書の未所持での運転は30万円以下の罰金が科せられるため注意しましょう。

印鑑と身分証明書

代理人が車を売却するなら、委任状の委任者と受任者両方の印鑑と身分証明書が必要です。買取業者によって違いがありますが、基本的にパスポートやマイナンバーカードなど顔付きの身分証明書が望ましいでしょう。

印鑑証明書

印鑑証明書は、委任状に押印された印鑑が車の所有者の実印として効力のあるものなのかを証明する書類です。印鑑証明書の効力は発行してから3カ月以内なので、タイミングよく取得するようにしましょう。

印鑑証明書は、住民票のある市役所や区役所などで発行可能ですが、平日に取得しに行く必要があります。代理人が申請をする場合は車の所有者の委任状が必要です。なお、軽自動車の場合は印鑑証明書が不要ですので、車の所有者の認印でも手続きが可能です。

譲渡証明書

譲渡証明書は、自分の車の所有権を相手に移したことを証明する書類です。通常、買取業者が譲渡証明書を用意してくれるので、車の所有者が住所氏名を記入して実印を押印し、買取業者に渡すだけです。

親から車を譲ってもらう場合は、自分で譲渡証明書を用意しなければなりませんが、国土交通省のホームページでダウンロード可能なのでそこまで難しくはありません。記入例を参考に、車検証に記載されている情報を確認してから記入しましょう。

自動車の登録手続き - 関東運輸局

リサイクル券

自動車を廃車にする際にエアバッグ類やフロン類などのごみが発生します。このごみを環境に悪影響がないように処分すると費用がかかるため、自動車リサイクル法において前述したごみを処分する費用をみんなで負担するシステムになっています。

そのため、全ての車の所有者は購入時にリサイクル料を支払う必要があり、支払った証明としてリサイクル券が発行されます。

売却時にリサイクル券を提出すると、リサイクル料金の払い戻しが可能です。委任者が紛失したというときは自動車リサイクルシステムのサイトにアクセスし、リサイクル料金の預託状況が分かるページを印刷するとリサイクル券の代わりに使用できます。

自動車納税証明書

毎年5月頃、4月1日時点で所有している車の自動車税納税通知書が送られてきます。納税通知書が届いた場合は期日内に自動車税を納める義務があるので、車の所有者が納税していることでしょう。

自動車税を納めると自動車納税証明書が発行されます。コンビニや銀行で振り込んだ場合はレシートのような証明書が渡され、インターネット上で納税した場合は、自動車納税証明書は郵送されません。県税事務所の営業日で2日経ってから窓口にて発行可能になります。代理人が申請する場合は、車検証もしくは車検証のコピーを持参すると申請可能です。

軽自動車の名義変更では委任状は不要

軽自動車の名義変更では委任状が不要になり、その代わり申請依頼書という書類が必要になります。申請依頼書に記載することは委任状と同じですので迷うことはあまりありませんが、もし不明点があれば軽自動車検査協会に相談するようにしましょう。

また、申請依頼書にもいくつか種類があり、「名義変更」「住所・氏名の変更」「名義の抹消手続き」を行うための申請依頼書があります。他にも廃車専門の申請依頼書があるので、代理人が行う手続きを把握したうえで申請依頼書を記入しましょう。買取店に代行してもらう場合は、買取店が申請依頼書を準備してくれるので書類の種類は特に気にする必要はなく、内容に不備がないようにだけ気を付けて記入すれば問題ありません。

【ケース別】他人名義の車を売る方法

他人名義の車を売ることは基本的にできませんが、事情によっては売却することが可能になります。ここからはケース別に代理で手続きをする方法と他人名義の車を売るときのポイントを解説します。

名義人がすでに亡くなっている

名義人が既に亡くなっている際は以下の書類が必要です。

・戸籍謄本
（名義人が除籍とされている物）
・遺産分割協議書
（代表相続人を決定し、車という資産を引き継ぐ手続きを行う）
・相続人の印鑑証明書
・委任状
・譲渡証明書

必要書類が全て揃えば売却可能になります。また、買取業者に査定をしてもらった結果、車の価値が100万円以下の場合は上記の書類は不要です。

名義人が海外在住

名義人が海外在住の場合は以下の書類が必要です。

・署名証書
・住民票の除票

この2つの書類が準備できれば車が売却可能になります。署名証書は、名義人が現地の日本大使館で発行します。この署名証書は日本国籍を有している方のみ発行可能です。元日本人の方は発行される場合と発行されない場合があるので近くの日本大使館に問い合わせましょう。住民票の除票は、代理人が署名証書を役所に持っていけば受け取ることが可能です。

名義人が認知症になっている

名義人が認知症を患っているなど、判断能力が不十分な状況の場合は後見人を立てなければ車の売却はできません。法定後見と任意後見があり、名義人が認知症になってから成年後見人を立てる場合は法定後見となり、名義人が認知症になる前に任意で後見人を立てる場合は任意後見となります。

なお、どちらの後見人の場合でも家庭裁判所での手続きが必要で、医療機関や福祉関係に協力してもらうことになるため、後見人を立てるのは数ヶ月かかると考えておいた方が良いでしょう。

名義人が自分以外の場合

車は名義人が自分以外だと売却できません。所有者がローン会社やディーラーの場合は、ローンを返済して自分名義にしてから売却する必要があります。ローンの返済方法として車の売却金額でローンを返済する、もしくはローンを組み直すことで所有権留保解除が可能です。

ここで気を付けたいポイントは、名義の変更や所有権の移動などの手続きは自分で行う必要があるということです。ローン完済後に所有権留保解除手続きをすることで車が売却できる状態になります。自分で所有権留保解除手続きをするのが手間だと感じる場合、買取業者に依頼すればローン会社とのやりとりを代行してもらえて手間が省けるのでおすすめです。

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車の売却を代行するためには委任状の準備や名義変更の手続きが必要なので、手間をかけたくない方は買取業者に任せるのが良いでしょう。また手続きで不明点があった際に、JPUC（一般社団法人日本自動車購入協会）加盟店なら安全・安心のサービスを受けられるので相談もしやすくなります。

特にJPUC加盟店であるcarview!車買取は、500万人以上の確かな利用実績があるのでおすすめです。また、1度の一括査定で最大10社の見積もり額を比較でき、高価買取も目指せます。まずはcarview!車買取であなたの愛車の価値を確認してみてください。

まとめ

この記事では、代理人が車を売却する際に使用する委任状と委任状の他に必要になる書類や、状況によって追加で必要になる書類について解説しました。人によって代理で車を売却する状況はさまざまですが、この記事で紹介した車売却に必要な書類を準備しておけば、代理人として車を売る場合でもスムーズに売却手続きが進むことでしょう。

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