車の査定基準のベースは？ 失敗しない買取業者の選び方も

車を売却する際、査定士と呼ばれる有資格者が現車を見て査定を行います。査定士の独断で行うものではなく、査定基準をベースとしながら査定を行うのが基本です。具体的にどのような査定基準をベースに査定するのでしょうか。

この記事では、中古車査定時に使う査定基準のベース、査定額を調べる方法を紹介します。最後まで読むことで、中古車がどのようなポイントを見て査定されるのかが理解できるでしょう。

車の査定基準はJAAIの「中古車査定基準」がベース

車の査定は、査定する人によって生じるばらつきをなくすために、JAAI（一般財団法人 日本自動車査定協会）が定める中古車査定基準を用いています。具体的にどのような基準で行われるのでしょうか。

査定基準を理解すると、査定額が適正か判断できるだけでなく、車のコンディションを保つポイントもチェック可能です。ここでは、中古車査定基準の概要を紹介します。

車の査定基準はJAAIに沿っている

中古車の査定では、査定基準に関して共通ルールに明確な規定はありませんが、JAAIが定める「中古自動車査定基準及び細則〔I〕」に沿って評価されるのが一般的です。

車両本体の評価項目から装備品・商品価値としての評価まで、細かくチェック項目が記されています。算出された金額に買取店独自の評価が加えられ、最終的な査定価格が提示される仕組みです。

JAAIの定める6項目の標準状態

中古車は新車とは違い、使用環境や乗り方で個体差が生じます。中古車査定のばらつきをなくすために使われるのが、JAAIの定める6つの標準状態です。査定は、6つの標準状態と、現車の状態を比較して行います。以下は、JAAIが定める6つの標準状態です。

標準状態と加減点の関係

査定の加減点は、標準状態よりも現車が良ければ加点、悪ければ減点される仕組みです。以下に、標準状態と加減点の関係を紹介します。

車の査定基準1．車の外装・内装

中古車として買取してもらう以上、引っかき傷など日常的に付く傷は仕方ありません。しかし、傷やへこみの程度によっては減額となる場合があります。

外観と同じく、内装も使用するうちに汚れていくため、高額査定を実現したいのであれば査定前にしっかりと対策することが大切です。ここでは、外装と内装の査定基準を紹介します。

外装でチェックされるポイント

外装でチェックされるのは、ボディのへこみ・傷・さび・塗装はげです。1cm未満の浅い傷であれば減額対象になる可能性も低いため、修理も必要ありません。この他、バンパーや灯火類の損傷具合もチェックされます。

サンルーフは査定額アップにつながるポイントのひとつですが、故障や不具合があればプラス査定にはなりません。窓ガラスの傷といった気付きにくい部分もチェックされ、状況によっては査定額が下がります。

外装面での加減点例は、傷がなければ40点加点、交換跡や塗り替え跡、波状の修理跡があると10点減点です。

内装でチェックされるポイント

外装をきれいに保てていても、内装が汚ければ減点対象です。内装は、シートやフロアマットの汚れ・色あせ・破損といった見た目の問題だけでなく、臭いもチェックされます。ペットを乗せたことがある方、車内で喫煙したことがある方は、特に注意が必要です。

内装に問題がなければ20点加点されますが、ペット・たばこの異臭があると40点減点されます。臭いは使用している人だとなかなか気付けません。臭いが取れなくなる前に、普段から消臭するなど対策を取ることが大切です。

車の査定基準2．走行距離

走行距離が多い車ほど、中古車としての価値は下がる傾向にあります。車は走るほどダメージが蓄積し、寿命に影響するためです。

走行距離はどのような基準で査定されるのでしょうか。ここでは、走行距離でどのようなポイントがチェックされるのかを紹介します。

走行距離でチェックされるポイント

走行距離は使用頻度によって変わるものの、年間平均は8,000km～1万kmです。新車購入から3年経過した車であれば、3万km程度が妥当と言えます。

走行距離で査定額が大きく変わるポイントは10万kmです。10万kmを超えた車は、10万km未満の車と比べて大きく査定額が下がる傾向にあります。中には10万kmを超えても問題なく乗れるような車もありますが、中古車としては評価されにくい傾向です。

走行距離が極端に少ない場合にも注意

走行距離は短いほど消耗度が低いと判断され、査定額も高くなる傾向にあります。しかし、単に短ければよいわけではなく、年式とのバランスが重要です。1年1万km程度の走行距離であれば、査定に大きな影響はありません。

年数がたっているにもかかわらず、走行距離が極端に短い場合、使用頻度が少なく放置期間も長かったと見られることがあります。

車は、長期間放置すると見えない部分に影響が出る可能性が高くなるため、中古車としては評価しづらく喜ばれない点に注意しましょう。

車の査定基準3．エンジン・足回り

走行する上で、エンジンが問題なく始動するかは重要なポイントです。異音や故障部位があれば費用をかけて修理する必要があるため、場合によっては大きく減額されることもあります。

足回りも快適な運転を行うには重要な部分です。ここでは、エンジンと足回りに関する査定基準を紹介します。

エンジンでチェックされるポイント

エンジンでチェックされるのは、問題なく始動するかです。異音程度であればそれほど問題視されませんが、エンジンに大きな不具合があれば多くの費用と時間をかけて修理する必要があるため、大幅に減額される可能性がある点に注意しましょう。

エンジン本体だけでなく、エンジンルーム内にあるバッテリーの状態やエンジンオイルの交換履歴もチェックポイントです。盗難車でないことをチェックするために、車検証に記載された車体番号と、ボディに打刻された車体番号が一致しているかも確認されます。

エンジン関連は、定期点検整備記録簿の法定点検整備履歴が確認できれば15点の加点です。エアコン、パワーウインドー、ABS、電動式サンルーフ、パワースライドドアは正常に動けば加点されます。

足回りでチェックされるポイント

足回りとは、タイヤやホイール、マフラー、サスペンションのことです。具体的には、タイヤとホイールの傷および損傷程度、タイヤの消耗具合、マフラーのさび、サスペンションのオイル漏れをチェックします。

エンジンと同じく、定期点検整備記録簿をチェックし、法定点検整備の履歴が確認できれば15点加点です。

タイヤは、1.6mm以上の残り溝があることを標準状態とされています。スリップサインが出て、1.6mmを下回っている状態であれば減点対象です。タイヤには製造年月日が記載されています。溝が十分にあって状態が悪くなければ、古くても減点対象とはなりません。

車の査定基準4．車検・修復歴・改造歴

公道を走る上で車検を受け、合格している必要があります。車検は多くの費用がかかることから、残り期間が長いほどプラス査定される傾向です。

この他、修復歴や改造歴も査定時にチェックされます。正確な査定額を出してもらうには、修復歴と改造歴を正直に告知することが大切です。

車検でチェックされるポイント

自家用車であれば、初回を除いて2年に1度、車検を受けます。車検は税金・保険料などの法定費用、車検基本料や部品交換費用といった多額の費用が必要です。

車検の残り期間が1年以上あるなど、残り期間が長いほど車の買取価格もプラス査定される傾向にありますが、数か月であれば査定にそれほど影響しません。

この他、車に搭載される装備の取扱説明書、メンテナンスノート、スペアキーの有無も査定時にチェックされます。

修復歴でチェックされるポイント

修復歴のある車とは、災害や交通事故が原因で、フレームやフロアなど車の骨格部分を修正した車のことです。

これらは車の強度に関わる重要な部分であることから、買取価格に大きく影響します。強度に大きな影響のないフェンダーパネルやドアの損傷は、修理したとしても修復歴には該当しません。

査定時に分からなくとも、車を引き取った後のチェックで修復歴が判明することもあります。売却時には、買取業者へ修復歴の告知が必要です。修復歴があるにもかかわらず告知しなかった場合は、当初の査定額から下がることも考えられます。

改造歴でチェックされるポイント

車が好きな方の中には、エアロパーツの装着や社外マフラーへの変更などを行っている方もいるでしょう。社外品・純正品問わず、保安基準に適合して公道を走行できる状態であれば、改造していたとしても査定に影響はありません。

しかし、新車状態から離れる改造をしているほど、査定額は下がる傾向にあります。買取をしても、再販する際に純正品へと戻す必要があるためです。修復歴と同じく、改造歴があれば査定時に伝えることをおすすめします。

車の査定基準以外も、車を高く売るコツは？

査定基準を基に査定したとしても、実際に提示される査定額は時期や中古車市場によっても異なります。では、車を高く売るには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

ここでは、車を高く売るポイントを3つ紹介します。これらのポイントを踏まえ、より高い金額での買取を実現しましょう。

高く売れる時期に査定を受ける

車を買取業者に売る場合は、繁忙期に差しかかる前の時期も含めて「1月～3月」に売却することをおすすめします。この時期は年間通して最も買取価格が上がるため、中古車査定基準を用いて算出された査定額を超える金額での売却も可能です。

3月は買取業者の決算月で買取件数も増えます。在庫確保に向けて通常より高い買取価格が期待できるだけでなく、新生活などで中古車需要そのものが高まる時期です。売却のタイミングを1月～3月に合わせられる場合は、日程を調整して売却するとよいでしょう。

この他、7月～8月も高価買取が期待できます。中古車販売店が少しでも多くの車を販売しようとする決算時期であるためです。

価格の変動を常に調べる

車の査定額に大きな影響を与えるタイミングもあるため、日ごろから価格相場の変動を追いかけることで安く買われるリスクを避けられます。中でも、フルモデルチェンジが行われると旧モデルが市場に出回り、買取価格も大幅に減額される傾向です。

中古車情報サイトや買取情報サイトでは、最新の中古車販売価格や買取相場が確認できます。愛車の価格動向もチェックしましょう。

自分でできる範囲でクリーニングをする

車の査定では内装・外装ともに査定士に見られるため、可能な範囲で洗車や室内の清掃などを行うのがおすすめです。減額対象になる目立った汚れや傷は、できる範囲でクリーニングします。

シートやマットをきれいにする他、内窓やダッシュボードの拭き掃除も効果的です。臭い対策も十分に行うことで、査定士からの良い評価が期待できます。

車の査定額を調べる方法は？

実際に査定へ出すまで車の査定額は分からないのでしょうか。おおよその査定額が分かれば、査定に出すか判断する際に役立ちます。

査定依頼しなくとも、シミュレーションや買取実績などでもおおよその査定額はチェック可能です。ここでは、査定額を調べる方法を4つ紹介します。

ディーラーのシミュレーションを試す

トヨタをはじめとするディーラーのウェブサイトでは、下取り価格のシミュレーションが可能です。メーカー・車種・年式・ボディタイプなどを選択することで、参考価格の結果が分かります。

しかし、これは下取りの参考価格に過ぎず、買取を利用する際にも同じ金額が提示されるわけではありません。「下取りであればこのくらい」程度に受け止めておきましょう。

中古車買取店の買取実績を見る

中古車買取店のウェブサイトでは、過去の買取実績を公開しています。目安ではありますが、手軽に買取相場をチェックできるため、気になる場合は目を通しておきましょう。

実際に調べる際には、愛車の車両状態と近い車を対象にします。車種やグレード以外にも、年式や走行距離といった情報まで分かれば、より具体的な価格が分かるでしょう。

（参考：『トヨタ　下取り参考価格シミュレーション』）

中古車買取店に査定依頼をする

ウェブサイト上から査定申し込みを行う場合は、車両情報と個人情報をそれぞれ入力する必要があります。

車両情報で入力するもの

個人情報で入力するもの

直接店舗に伺って査定を受ける場合は、予約を入れておくとスムーズです。中には出張査定に対応している買取業者もあります。

（参考：『カービュー車買取　車の買取相場について調べる』）

査定額アップを目指すなら一括査定がおすすめ

一括査定サイトは、一度の情報入力で複数の買取業者へ依頼できるサービスです。なるべく手間をかけずに複数社から見積もりを取りたいときに便利でしょう。

また、一括査定サービスを使うと買取業者の競争心理が働き、高額査定も実現可能です。多くの買取業者と提携している一括査定サイトを選ぶことで、最高額での買取を目指せます。

失敗しない車買取業者の選び方

買取業者を選ぶ際には、クチコミや実際の買取相場を確認することが重要です。より正確な査定を受けるには、店舗の信頼性も大切なポイントと言えます。ここでは、買取業者の選び方について見ていきましょう。

クチコミを確認する

車の買取業者を選ぶ際は、ウェブサイトに掲載されている利用者のクチコミや評判を確認することが大切です。具体的な買取価格や店舗の雰囲気、スタッフの対応などが分かれば、どの買取業者に依頼すればよいのか判断する材料になります。

カービュー車買取でも利用者から寄せられたクチコミを多数掲載しているため、利用前にぜひご確認ください。

買取相場の傾向を確認する

あらかじめ下取り価格をシミュレーションしたり、買取実績から相場を予測したりすると、交渉や売却先の決定に役立ちます。

相場とかけ離れた高い買取価格を提示されるケースもありますが、このような買取業者は悪徳業者の可能性もあるため避けたほうが無難です。

店舗の信頼度を確認する

買取業者の信頼度を測る際は、JPUC（一般社団法人日本自動車購入協会）加盟の有無で判断しましょう。

JPUCは、消費者が安心して車を売るための活動を行っている協会です。車売却消費者相談室を設置し、トラブル防止にも努めています。JPUC加盟の買取業者を利用して、トラブルのないスムーズな車売却を実現しましょう。

高価買取を目指すなら、カービュー車買取の中古車一括査定サービスがおすすめ

一括査定サービスを利用するのであれば、カービュー車買取の中古車一括査定サービスをご利用ください。

カービュー車買取の中古車一括査定サービスは、300社の買取業者と提携し、一度に最大10社へ査定依頼できます。手軽かつ最高額で買取してもらいたい方におすすめです。

愛車の最高額で後悔のない買取を

カービュー車買取は、300社の買取業者と提携しています。カービュー車買取の中古車一括査定サービスを利用すると、一度に最大10社の買取業者へ同時査定依頼が可能です。

これまで相見積もりをする際には、複数の買取業者へそれぞれ査定依頼する必要がありました。カービュー車買取の中古車一括査定サービスであれば、その手間と時間を省けるため、忙しい方にとって便利なサービスです。

提携業者は、CMにも流れる全国展開する買取業者の他、専門店など幅広く提携しています。さまざまな買取業者を簡単に比較したい方、信頼できる店舗を中心に探したい方にもおすすめです。

簡単3ステップでお忙しい方にも最適！

カービュー車買取の愛車無料一括査定サービスは、3ステップで査定依頼が可能です。

まずはウェブサイトもしくは電話からお申し込みください。その後、カービュー車買取が確認メールを送信し、各買取業者から連絡をします。無料見積もりから、ご利用ください。

まとめ

中古車の査定は、JAAIの「中古自動車査定基準及び細則」をベースに行われるのが一般的です。中古自動車査定基準及び細則には、内外装の傷や車検残日数、タイヤの残り溝基準などが記載され、車両状態によって加減点が行われます。

愛車を高く売りたいのであれば、できる範囲でクリーニングすることに加え、最適な売却時期を見極めることが大切です。手間をかけずに高価買取を目指したい方は、ぜひカービュー車買取の中古車一括査定サービスをご利用ください。

#車査定

写真：アフロ