中古車を買取に出すなら走行距離が重要！ 節目を迎える前が狙い目

中古車の売却にあたっては、走行距離も査定額確定の重要な要素になります。走行距離が長い車は、一般的には減点、減額されてしまう可能性が高くなります。
しかし、走行距離が長いからといって必ずしも高値で売れないというわけではありません。今回は、査定額を決める際の走行距離の基準や、走行距離以外の査定項目についても詳しく解説します。自身の車を少しでも高く買い取ってもらいたい方は、ぜひ参考にしてください。

中古車の買取額に走行距離が大きく影響する理由

日本では中古車の価値を判断する時に、走行距離が重視される傾向にあります。一般の方が中古車を買う際に、真っ先に確認するのが走行距離ではないでしょうか。理由は、走行距離から車の寿命が分かるからです。

走行距離が長ければ長いほど車の各部品は消耗していき、寿命が短くなります。寿命が短い車は売れにくいため、結果として売却額も低くなるのです。実際には、ディーラーや買取業者は走行距離だけでなく、さまざまな面から総合的に車を査定するのですが、走行距離も大きな判断基準となります。

昔は走行距離によって価値が大きく左右されたことから、メーターを改ざんして売る悪徳業者もいたほどです。近年は車の耐久力が上がっており、走行距離が長い車でも消耗や故障は減ってきています。

中古車の走行距離における買取査定の基準は？

実際に走行距離がどのように査定額に影響するかを知っておきましょう。

一般社団法人日本自動車査定協会は、走行距離と査定の加減点に一定の基準を定めており、ほとんどの買取業者はその基準に則って査定しています。そのため、自分でも目安を知っておけば、業者の提示額を冷静に判断できるでしょう。

走行距離の目安

車の走行距離は1年間で1万kmが基準となっており、これより多いか少ないかがひとつの判断ポイントとなります。車の査定においては走行距離だけでなく、使用年数も重要といえます。

たとえば累計の走行距離が5万kmの場合、使用年数10年の車であれば年間走行距離が5,000kmであるため「少ない」と判断されるでしょう。逆に、使用年数2年の車であれば、同じ5万kmであっても年間に換算すると2万5,000kmとなり「多い」と判断されるのです。

年間走行距離が多いほど車の消耗が激しいため、査定においては「使用年数のわりに走行距離が多い車」は減点対象となります。

走行距離が長いと売れにくくなる？

走行距離の累計も査定額に影響を及ぼします。走行距離の累計が5万kmを超えていると「多走行車」、10万kmを超えていると「過走行車」と呼ばれます。

昔は10万kmを超えた過走行車は劣化が激しく査定額に大きく影響しましたが、近年ではエンジン性能が良くなってきているため、以前ほどの影響はありません。特に日本車は海外、特に東南アジアで「性能が良い」と人気であり、少々走行距離が長くてもよく売れているという実情もあります。

もちろん、走行距離が短い車に比べれば高値はつきにくい傾向はありますが、海外への輸出を行っている業者であれば、過走行車でもそれなりの値段で買い取ってくれるでしょう。ただし、10万km超えの車については各種部品の寿命の関係から、やはり安くなってしまうことは否めません。これについては後の章で詳しく解説します。

短いほど良いというわけでもない

走行距離が短ければ査定時に良い影響がありますが、かといって短ければ短いほど良いというわけでもありません。車はある程度エンジンを動かした方が良いコンディションを維持できます。買ってからずっと放置されている車は、部品がさび付いていたり、劣化していたりするケースが多くあります。

たとえば、使用年数5年で走行距離4万kmと走行距離1万kmの車の場合、走行距離4万kmの方が良好な状態です。このように、適度に動かしている車の方が査定時には有利であることを覚えておきましょう。

走行距離が長い中古車でも高く買取ってもらえる例

走行距離が長いからといって、高額査定をあきらめる必要はありません。条件を満たしていれば、走行距離の長さで多少減額はされても、高値で買い取ってもらえるケースがあります。具体的に以下のような車は、走行距離が長くても高く売れる可能性があるのです。

本格的四駆車や商用車の場合

トヨタのランドクルーザーシリーズ、スズキのジムニーシリーズ、ダイハツのロッキーなど、本格的な四駆で悪路走行を前提とした車は頑丈に作られており、林道やオフロード、雪道などの走破性が高い車です。

これらのオフロード型四輪駆動車は、普通の車に比べてライフサイクルが長いため、価値が落ちにくい傾向があります。中古車査定においても、走行距離が長かったとしても比較的高額で買い取ってもらえる可能性が高いでしょう。

また、トヨタのハイエースなどを始めとした貨客兼用商用車も、高額査定が出やすい傾向です。このような車種は積載を前提としたタフな作りとなっており、国内のみならず海外でも高い需要があります。

台数限定や期間限定販売の希少車の場合

台数限定販売や期間限定販売であった希少な車は特別です。多少状態が悪くなっていたとしても、ファンとしては喉から手が出るほど欲しいため高値が付きやすくなります。

ただし、希少であっても人気のない車では高値がつきにくいので注意しましょう。

走行距離別に見る買取への影響

走行距離が買取価格に大きく影響しますが、距離によって影響の度合いが異なります。そこで、ここでは5万km以下・5万km以上・10万km以上の走行距離別に、どれほど買取に影響するのかを見ていきましょう。売却時の参考にしてください。

走行距離5万km以下の車

走行距離が5万km未満の場合、中古車市場ではまだまだ需要が高く、高額査定を期待できるでしょう。車は車検のタイミングや残価ローンなどの関係で、購入してから3〜5年程度で売却されることが多くあります。そのような車の走行距離は、5万km未満であることも多いのです。

買い手としても、中古車の走行距離が5万km未満であれば、まだまだ走れると考えます。また、3〜5年落ち程度であれば新車との価格を比べてもお手頃です。上記の点から中古車買取店でも売れることが分かっているため、比較的高値で買取ってくれる傾向にあります。

走行距離5万km以上の多走行車

走行距離が5万kmを超えると、買取価格が落ちやすくなります。車は「購入してから5年」「走行距離5万km」が売り時の目安です。これを基準として売却する方が増えるため、それだけ在庫も多くなり、査定も厳しくなります。

また、走行距離5万km未満は購入者から選ばれやすい人気のラインとなっており、5万kmを超えると選ばれにくくなってしまう点も、査定が厳しくなる要因です。

走行距離10万km以上の過走行車

一般的に、中古車業界では「走行距離10万km」が車の寿命とされています。買取を断られてしまうこともあるでしょう。また、運良く買取ってもらえたとしてもほとんど値段が付かない場合もあります。つまり、走行距離が10万kmを超えると売却自体が難しくなってしまうのです。走行距離10万km以上の車を売りたいと考えるなら、買取ってくれる店舗を慎重に探す必要が出てきます。

しかし、車は年々進化し耐久性が高くなってきており、特に日本製の車は走行距離が10万kmを超えても、問題なく走れる車が多くなってきています。そのような品質面から、海外では日本車の需要が高く、たとえ走行距離が長くても価値が付く可能性が十分あります。そのため、過走行車は海外への販路を持っている買取業者で査定してもらうのがおすすめです。

また、査定の結果値段が付かなかった場合は、廃車買取業者の利用も検討してみましょう。廃車買取業者は車の部品に値段を付けるため、値段が付かないような車両でも解体してお金に変えられます。

走行距離以外の査定ポイント5つ

車を高く売るためには、走行距離以外の査定ポイントも知る必要があります。走行距離以外で押さえておくべき車の査定ポイントは、下記の5つです。

・車の年式
・事故歴や修復歴の有無
・外装の状態
・内装の状態
・オプションの有無

ここではそれぞれ詳しく解説していきます。

年式

車の年式が新しいほど査定額は高くなります。走行距離と同様に、「年式10年」も車の寿命と言われており、それよりも年式が古いと減点対象となります。

ただし前述したように、年式が古く走行距離が長くても、希少性の高い車であれば高値で売れる可能性があります。

事故歴や修復歴の有無

一度大きな事故を起こすと車の耐久性は著しく低下します。事故歴や修復歴があると、査定に大きく影響します。特に修復歴は、車としての機能が低下しているとみられ査定額が0円になったり、買取拒否されたりする可能性もあります。

ただし、事故を起こしたすべての車に修復歴が付くというわけではありません。修復歴は車の骨格（フレーム）を交換、あるいは修復した場合に付くもので、骨格までダメージが至らなかった軽微な事故の場合は該当しません。

また、査定に不利だからといって、過去の事故や修復を偽って申告することはやめましょう。プロの業者が修復歴を見逃す可能性は非常に低く、偽りの申告がばれると大幅な減額やトラブルにつながりかねません。事故歴や修復歴がある場合は、正直に伝えましょう。

外装の状態

「外装がきれい」「塗装状態が良い」ということも、高く売れる要素の一つです。人気のボディカラーであれば、その分高値が付きます。国内では白・黒・シルバーなどが人気です。

傷や凹みは査定額に影響しますが、程度によります。長く乗っていればどうしても傷や凹みは避けられません。現在は車の修復技術も向上しており、ちょっとした傷や凹みであれば買取業者で簡単に直せます。わずかなものであれば査定には影響しないとみて良いでしょう。

カー用品店には自分で修復するためのさまざまなアイテムが販売されていますが、自分で車の傷や凹みを修復するのはおすすめしません。どんなに丁寧に修復したとしても、素人の腕には限界があります。結局業者が再度手直ししなければならないどころか、最悪の場合は状態を悪くしてしまうことも考えられます。そのままにしておくのが無難です。

大きな傷や凹みに関しても、そのままにしておくのがおすすめです。大きな傷や凹みは減点ポイントではありますが、修理代よりも査定額が上乗せされることは期待できないからです。

内装の状態

内装で査定のポイントとなるのは、においやシートの損傷です。特にタバコやペットの独特のにおいは買取業者でも除去が困難であり、大きな減点対象となります。長年の使用によって染みついたにおいはなかなか消えず、人によっては大きな不快感を抱いてしまうからです。

その他、ダッシュボードやシートの破損・劣化は、修理や交換が必要になるためマイナスの対象です。

高く売るためには普段からきれいに使い、ペットを乗せる際、タバコを吸う際にはこまめに換気するなどの工夫が必要です。査定前には掃除をしてきれいにしましょう。

オプションの有無

オプションを追加している車は、場合によっては査定額が上がります。特に人気なのが、「カーナビ」「レザーシート」「サンルーフ」「電動スライドドア」などです。

オプションの種類によっても査定額が変わります。メーカーの「純正オプション」は特に高く評価されるでしょう。納車した後に取り付けられず、希少価値が高いからです。しかし、カー用品店などで購入した社外品のオプションに関しては、あまり高く評価されないことを理解しておきましょう。

走行距離の長い中古車を少しでも高く売る方法

走行距離の長い車であっても、高価買取を諦めるのは早計です。ここからは、走行距離の長い車を高く売るための工夫をいくつか紹介します。前項でご紹介した査定ポイント5つと合わせて、意識しておきましょう。

消耗品のメンテナンスをする

タイミングベルトは10万kmが交換の目安と言われています。また、その他のゴム製の部品も、10年程度での交換を推奨されています。これらの消耗品が未交換だと、売却額が大幅に下がってしまいます。

10万km超えの車を売るためには、タイミングベルトの交換は必須と言えます。ただし、交換済みの方が高く売れる可能性が高いものの、諸々の整備費が査定額と見合うかどうか、不明な点がある時は事前に確認しておきましょう。

下取りではなく買取に出す

過走行車は、下取りではほとんど価格が付かないのでおすすめできません。ディーラーは走行距離の長い車を高く評価しないため、売れるものも売れなくなってしまいます。

買取業者を検討した方が、わずかでも高く売れる可能性が高まります。特におすすめなのは、日本車の人気がある海外への販売ルートがある業者です。

一括査定サービスを利用する

査定の基準は、業者によって異なるのが現状です。少しでも高く売るためには一括査定を利用して、多くの業者に見積もりを取ることが重要とされています。

一括査定のメリットは、多様な基準で車を査定してもらえる点です。本記事で紹介した条件に当てはまらない車であっても、驚くほどの高値で売れることもありえます。中古車を高く売りたければ、一括査定の利用は必須とも言えるでしょう。

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まとめ

今回は、中古車の買取価格と走行距離の関係について解説しました。年間走行距離1万kmを目安として、それよりも多い車は減点対象となります。さらに、走行距離が5万km、10万kmを超える車を高く売るためには、消耗品の交換や下取りに出さず買取業者に出すなどの工夫が必要になってきます。

多走行車をできるだけ高く売りたいなら、ぜひcarview!中古車一括査定サービスをご利用ください。

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