車の買取で印鑑証明が必要なケースとは？理由や発行手順も紹介

車を売却するにあたって、印鑑証明書が必要となる場面があります。印鑑証明書を準備するにはあらかじめ手続きが必要です。
そこでこの記事では、車の買取時に印鑑証明書が必要な理由や、印鑑証明書の発行手順、よくある質問をまとめました。併せて印鑑証明書以外に必要となる書類についても記載しているので、車の買取をスムーズに進めるためにしっかりとポイントを押さえておきましょう。

車の買取に印鑑証明書は必要なの？

印鑑証明書とは、その印鑑が自分の住んでいる自治体で登録された印影の写しだと証明するための書類です。正式には印鑑登録証明書といいます。車の買取時や不動産など財産の取引時に提出を求められるものですが、車の種類や手続き方法によって必要な枚数が変わるので注意が必要です。ここでは、必要な印鑑証明書の枚数を見ていきましょう。

普通自動車の買取時は2枚必要

車の買取の契約をするためには、所有者は発行から3か月以内の印鑑証明書を2枚（2部）用意する必要があります。買取業者が「名義変更（移転登録）」と「自動車税の還付手続き」を代行する際にそれぞれ利用するためです。

上記の手続きは買取店が勝手にできるものではなく、定められた公的機関で行われます。その際に、所有者の実印が押された「委任状」と「譲渡証明書」を提出します。実印が正しいかどうかを確認するため、併せて必要となるのが印鑑証明書です。

軽自動車の買取時は印鑑証明書が要らない

軽自動車の買取の場合、印鑑証明書は不要です。軽自動車は普通自動車と異なり、それほど大きな資産とはみなされません。買取業者で契約を進める際に押印を求められる書類も、実印ではなく認印で問題ありません。実印を使わないため、印鑑証明書が不要になるわけです。

車の買取や下取りに印鑑証明書が必要な理由

車の買取や下取りで印鑑証明が必要になる理由は、車は資産扱いだからです。車は相続税などが適用されることもあるほどの資産として扱われており、通常の買い物よりも手順が複雑な傾向にあります。車の売却後、買取業者が名義変更または移転抹消の手続きを運輸支局にて代行しますが、この手続きを行うのに旧所有者の印鑑証明書が必要です。

また、買取だけでなくその場で新しい車を購入するのなら、次の車の手続きに必要な分も併せて4枚あれば問題ないでしょう。なお、必要な枚数は都道府県や購入方法によって変動があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

車の買取で使用する印鑑証明書の発行手順

「印鑑証明書を発行してもらう手順が分からない」という方もいるでしょう。印鑑証明書を発行するためには、まず印鑑登録をする必要があります。一見すると難しそうに見えますが、手順を覚えてしまえば難しくありません。ここでは印鑑証明を発行してもらう手順について解説します。

手順（1）印鑑の作成

まず、実印となる印鑑を作成します。厳密な条件はお住いの自治体によって異なりますが、一般的に実印として認められるのは以下の条件を満たすものです。

円形のものが一般的ですが、楕円形や角形のものも登録は可能です。細かい条件はありますが、専門店などで「実印用」として販売されているものであれば、これらの条件を満たしていることが多いので問題なく使えるでしょう。

手順（2）印鑑登録（実印登録）

印鑑の準備ができたら、住民登録されている自治体の役所・役場に行きましょう。この登録の際に必要なものは以下の通りです。

現地で申請用の書類に必要事項を記載し、窓口に提出します。その際に印鑑登録と同時に印鑑証明書の発行も可能です。併せて申請しておくと、効率的にその後の手続きが進められるでしょう。本人確認書類として認められるものは、自治体によって異なります。有効期限が切れたものは無効となってしまうため、注意が必要です。

また、実印登録の前提として「15歳以上である」「成年被後見人ではない」ことも留意しておきましょう。

手順（3）印鑑証明書の発行

印鑑登録が完了したら、印鑑証明書を発行してもらいましょう。印鑑証明書の発行は以下の場所で申請できます。

役所・役場で発行する場合は、本人確認書類と手数料（300円程度）を準備しておきましょう。自治体によって必要な書類が多少異なるため、事前に確認するのがおすすめです。

マイナンバーカードを持っている場合はコンビニで手続きを行えます。コンビニのマルチコピー機の多くにはTOP画面に「行政サービス」という項目があるため、こちらを選択し案内にしたがって手続きを行いましょう。手数料は200円ほどです。ただし、マイナンバーカードは本人しか利用できないため、本人以外は申請できません。

車の買取時の印鑑証明書でよくある質問

印鑑証明書はそれほど頻繁に利用されるものではないため、扱いについて詳しく知っている方は少ないでしょう。ここでは、印鑑証明書について比較的よく聞かれる質問を集めました。これらの点を押さえておけば、どんなことに気を付けるべきか分かるでしょう。

質問（1）印鑑証明書に期限はあるの？

印鑑証明書自体に期限はないものの、車の売買契約では「発行してから3か月以内」と設定されていることがほとんどでしょう。3か月というのは、車の名義変更を行う運輸局（運輸支局）が定めたものです。

用意したものが設定された期限ギリギリの場合は、受け付けてもらえないこともあります。買取店が書類を受け取ってから運輸支局に行くまでに、発行後3か月というラインを過ぎてしまう恐れがあるからです。余裕を持って準備するのは大切ですが、実際に提出するタイミングを把握した上で動きましょう。

質問（2）実印をなくしてしまった場合はどうすれば良い？

「印鑑登録をしていた実印をなくしてしまった」という場合は別の印鑑を準備し、新たに印鑑登録を申請する必要があります。具体的な登録方法は前述の通りです。平日に仕事があると、すぐには動けない可能性もあるでしょう。

必要なときに焦らないよう、実印が手元にあるか前もってチェックしておくことが重要です。また、転居した場合は転入先の自治体で変更申請を行う必要があります。買取に出すタイミングを逃さないように、余裕を持って準備を進めましょう。

質問（3）住民票を抜いている場合はどうすれば良い？

「車の所有者が海外にいて住民票を抜いている（海外転居届を提出している）場合はどうしたら良いの？」とお悩みの方もいるでしょう。結論からいうと、住民票を抜いている場合は印鑑登録ができないため、印鑑証明書を発行できません。ただ、このような場合は日本領事館にてサイン証明を発行することで代用できます。

このパターンの場合は、住民票の除票などの書類も必要になるため、併せて準備しておきましょう。申請には時間を要することもありますので、売却を決めたらなるべく早めに確認するようにしましょう。

車の買取に必要な印鑑証明書以外の書類

車の売却をするときは、印鑑証明以外にも準備する書類があります。具体的には以下の通りです。

軽自動車の場合は実印・印鑑証明書・譲渡証明書・委任状が不要です。一見すると多く見えるかもしれませんが、車の中にまとめて管理されているものがほとんどでしょう。それぞれどのような書類なのか、以下の見出しで簡単に解説します。

自動車検査証（車検証）

自動車検査証（車検証）は、その車が法にのっとって適切に整備されていることを証明するものです。法律上、車内に携帯しておくことが義務付けられています。

常に車の中にあるため、簡単に紛失することはないでしょう。万が一紛失した場合は、管轄の運輸支局ですぐに再発行の手続きを行いましょう。

自動車税納税証明書

自動車税納税証明書は自動車税を納税したことを証明する書類です。自動車税を納税していない場合は受け取れないため、まずは自動車税を納税しているか確認しましょう。未納のままでは、原則として車の売却はできません。

こちらは車検証と同じ場所にまとめられていることが一般的ですが、万が一紛失した場合は、同じく運輸支局で再発行の手続きを行いましょう。

自賠責保険証

自賠責保険証は、自賠責保険に加入していることを証明する書類です。自賠責保険は自動車損害賠償保障法によって、車を所有する場合加入が義務付けられています。万が一自賠責保険証を紛失した場合、30万円以下の罰金を科される可能性もあるため注意しましょう。

こちらも車検証と同じ場所に管理されていることが一般的です。自賠責保険証を紛失していたり、期限が切れていたりすると車は売却できません。紛失した場合は、契約先の保険会社にて再発行の手続きを行えます。

リサイクル券

リサイクル券とは、自動車リサイクル法で定められた自動車のリサイクル料が納められていることを証明する書類です。この券に記載された情報が廃車時に必要になるため、必ず保管しておく必要があります。

リサイクル券も車検証と一緒に保管されていることが一般的です。万が一紛失した場合は、自動車リサイクルシステムのウェブサイトで「自動車リサイクル料金の預託状況」を印刷すると、リサイクル券の代わりとして利用できます。

参考：自動車ユーザーの方｜自動車リサイクルシステム

実印

車の買取を行うためには印鑑登録された実印が必要です。こちらは委任状や譲渡証明書に押印する際に使います。実印はお住いの自治体に手続きしたものでなければ利用できません。万が一紛失した場合は再度登録が必要です。軽自動車の場合は認印で構いません。

住民票

住民票は車検証と住民票の住所が異なっている場合に必要になります。引っ越ししていても、車検証の住所変更をしていれば不要です。転居の際には、車検証の住所変更も併せて行っておくと、買取の際に手間がかかりません。

車検証に記載の住所から2回以上引っ越しをしている場合は、住民票ではなく戸籍の附票や住民票の除票が必要になります。

譲渡証明書

譲渡証明書は、車の所有権を譲渡したことを証明してくれる書類です。この書類は中古車買取店が準備するものですので、それほど気にしなくても良いでしょう。自分で準備することも可能で、その場合は国土交通省の公式ホームページからダウンロードできます。

車を個人売買する場合は自分で用意する必要があるので、下記を参考にダウンロードしてみてください。なお、軽自動車の売却であれば譲渡証明書は必要ありません。

参考：国土交通省-譲渡証明書

委任状

普通自動車を売却する際は、委任状も必要です。譲渡証明書と同様に買取業者側で用意してくれますが、国土交通省の公式ホームページからダウンロードすれば自分で準備することも可能です。なお、必ずしも国土交通省の公式ホームページからダウンロードする必要はなく、必要事項が載っているものであれば問題はありません。

参考：国土交通省-委任状

車の高価買取を狙うポイントは？

せっかく車を買取に出すのであれば、より高値で買取してもらいたいという方が多いでしょう。中古車査定を依頼する上で、知っておくと良いことや査定額アップを期待できるコツがあります。一例を以下に紹介しますので、ぜひ実践してみてください。

ディーラーの下取りよりも買取業者がおすすめ

車を査定に出す方法は「ディーラーの下取り」と「中古車買取業者へ売却」が主な選択肢です。新車への乗り換えであれば下取りもおすすめできますが、ディーラーの査定は金額に期待しにくいのが特徴です。

一方で買取業者の査定は、純粋な車の価値に中古車市場の需要も上乗せされるため、下取りの査定金額よりも高くなる傾向にあります。さらに高額査定を狙うのであれば、複数の買取業者の提示金額を比較して交渉すると、査定額アップが期待できるでしょう。

日頃から車をきれいにしておく

査定前には洗車し、車内は掃除や換気をしておきましょう。タバコのにおいや食べ物のゴミ、ペットの強いにおいは査定額を下げる恐れがあります。減額されないためにも、査定員の印象を下げないよう車の美化を心がけてください。

なお、傷やへこみがあっても修理コスト以上に査定金額が上がるのは見込めません。DIY修理などを行わず、そのままの状態で査定を受けることをおすすめします。

メンテナンスノートを用意する

中古車の査定は車両本体の状態だけでなく、メンテナンス状況の証拠となるメンテナンスノート（定期点検記録簿＋取り扱い説明書）をはじめとした付属品もそろっているかが重要です。

スペアキーや純正オプション品など、プラス査定を狙える付属品も査定を受けるまでにそろえておいてください。なお、売却の必要書類も早い段階で準備し、紛失している場合は再発行しておくとスムーズに手続きを進められます。

車を売却するタイミングを意識する

中古車買取相場は1年の中でも変動します。売却のタイミングは1〜3月、7〜9月がおすすめです。この時期は中古車購入需要が高まる上に、買取業者は決算時期に際しなるべく在庫を確保し利益を出そうとするため、高価買取が期待できるでしょう。

おすすめの時期の一方で、買取相場が下がりやすい時期も存在します。自動車税の課税直後の4月や、他のイベントに重なる年末がその一例です。タイミングに迷ったら、このような市場の需要も判断材料にしてみてください。

査定前に買取相場を調べる

査定前に買取相場を調べておくと、提示される査定額の妥当性が判断しやすくなります。相場価格を知らないままだと、提示された金額が高いのか低いのか分からず、相場よりも低い価格で買い叩かれてしまうことがあるので要注意です。

おおよその相場価格を知っていれば値段交渉の材料としても役立ちます。中古車買取業者のウェブサイトや車関連雑誌などを参考に、前もって買取相場をチェックしておきましょう。

一括査定サービスを利用する/h3>より高値で車を売却するには、複数の買取業者で査定してもらい、査定額を比較して買取金額を交渉することが重要です。これに役立つのが中古車の一括査定サービスです。

一括査定サービスは車種や年式・走行距離などの車の情報と、ユーザーの個人情報を一度入力するだけで、複数の買取業者へ査定申し込みができます。買取業者へ1軒ずつ査定依頼する必要がないだけでなく、複数の買取業者に査定してもらうことで売却する車と相性の良い買取業者を探しやすいのもメリットです。

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まとめ

印鑑証明書は軽自動車の買取の場合は必要ありませんが、普通自動車の買取には必要です。一見すると必要書類の準備は大変そうですが、あらかじめポイントを押さえておけば難しくありません。不明な点は買取業者に尋ね、この記事を参考に自動車の買取をスムーズに進めましょう。

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