喫煙車はマイナス査定？中古車査定時の禁煙車との価格差をチェック！

古くから嗜好品として愛されているタバコですが、近年では健康への影響や喫煙者のマナー向上が叫ばれていることもあり、喫煙できる場所はどんどん減ってしまい愛煙家にとっては肩身の狭い社会となりました。そんな中、心置きなくタバコを吸える数少ない場所の1つが、自身の愛車です。愛煙家にとっては車内で喫煙するのは日常的なことですが、一方で、タバコを吸わない人、特にタバコが苦手な嫌煙家にとっては、タバコの臭いの染み付いたクルマほど嫌なものはないでしょう。
そこで気になるのが、「喫煙車か禁煙車かということが実際に車を売却するときの査定額に影響するのか？」というところです。
もちろん、タバコの匂いは簡単に消臭できるものではありませんが、現在ではアイコス（IQOS）やプルームテック（Ploom TECH）、グロー（glo）等の従来の紙巻きタバコよりも匂いを抑えることのできる加熱式（電子）タバコの利用者も増加しています。
もし、タバコの匂いが車の価値や査定額を下げてしまうのであれば、愛煙家のみなさんは、今後の車の売却に備えて今一度考え直す必要がありそうです。
ここでは、喫煙車の査定や買取りについての様々な疑問と回答をまとめました。もしあなたの車が喫煙車であり、今後下取りや査定をする予定があるなら、ぜひ参考にしていただければと思います。

喫煙車であることは査定に影響する？

経済の原理原則に従えば、物の価格は需要と供給によって決定されます。欲しい人が多ければより高く、欲しい人が少なければより安くなるのが普通です。禁煙車を愛煙家が購入してもほぼデメリットはありませんが、喫煙車を嫌煙家が購入してもメリットがあるとは考えにくいため、喫煙車は禁煙車よりも相対的に需要が減り、その結果喫煙車の方が安い販売価格となり、それにともない喫煙車の買取価格も禁煙車に比べて安くなるのが一般的です。

喫煙車がマイナス査定となるポイントは？

喫煙車がマイナス査定となるポイントは3つあります。

⓵車内の臭い

喫煙車の車内の臭いは消臭処理や清掃処理などの手間が発生することがあるため、禁煙車に比べて臭い取りに余計に費用が掛かることが買取価格に影響することも1つの要因です。タバコの臭いは、完全に消臭することが不可能です。消臭剤や芳香剤で査定時にごまかすことも不可能と思ったほうがよいでしょう。

タバコの臭いだけでなく、ペットの臭いもまた車の査定に影響する要素の1つです。飼い主はそれほど気にならないかもしれませんが、ペットの臭いはとても強く、こちらも消臭剤や芳香剤でどうにか臭い取りできるものではありません。中古車の査定時にはこうした目に見えない部分も影響するということは覚えておいたほうがよいでしょう。

⓶タバコのヤニ汚れ

タバコを吸っていた車内を見てみると、天井やシートがヤニで黄ばんでいることがあります。さらに、窓やダッシュボードをタオルで拭き取ると、ヤニ汚れがべっとりと付きます。ヤニ汚れはタバコ臭の発生源でもあるので、ヤニ汚れがひどいと臭いもひどい場合が多く、これも査定の減額に影響します。

一度こびりついたヤニ汚れはなかなか落ちず、清掃業者に依頼するコストがかかります。

加えて、ヤニ汚れだけではなく、タバコを吸っている際に灰が車内に舞ってしまうことも珍しくありません。灰による汚れは自分で除去可能なので、査定ダウンにあまり影響することはありませんが、常日頃からフロアマットの掃除等を行い、査定に出す前には必ず車内全体を掃除するように心がけましょう。

⓷タバコの火による焦げ跡

車の中で喫煙している際に、誤ってタバコの火種やタバコ自体を落としてしまい、シートやフロアマット等の内装を溶かしたり、焦げ跡をつけてしまったりすることがあります。

これも、買取価格をさげるため、マイナス査定になる可能性があります。

シートなどの内装は、比較的高額なことが多く、簡単に取り換えることが出来ません。そのため、車内で喫煙する際は、タバコの火種に十分に注意するようにしましょう。

喫煙車と禁煙車で実際にどれほど査定額は違う？

では、喫煙車と禁煙車で具体的にどの程度買取価格に差があるのでしょうか？もちろん、ケース・バイ・ケースである部分が大きいのですが、一括査定サイトや中古車販売店での喫煙車の相場を考慮すると、喫煙車は数%の減額対象となることが多いようです。仮に5%だとすると、100万円の買取価格が期待できるクルマで5万円、200万円の買取が期待できるクルマで10万円程度の差額が発生することになります。

この差は大きいと見るか小さいと見るかは人それぞれです。喫煙者の中にはマナーの悪い人間がいるのも事実ですが、多くの愛煙家はマナーを守ってタバコを楽しんでいます。クルマの中は、そうした人々が気兼ねなくタバコを吸うことのできる数少ない場所の1つです。買取をしてもらうタイミングでは、少しでも買取価格を高くしたいというのが人情ですが、買取価格を高めるために、大好きなタバコを車内で吸うのを控えるというのも本末転倒な気がします。

レンタカーや社用車のように、一定期間使用した後の売却・返却を前提としているようなクルマについては、禁煙車とすることでリセールバリューを守るというのは合理的ですが、そうでないならばあまり気にせず車内でタバコを楽しむというのもまた、1つの選択肢と言えるでしょう。

上述のように、タバコの臭いはとても強いため、ちょっとやそっとでは車の臭いを消すことはできません。完璧に消すためには、レザーやファブリックなどの臭いを吸いやすい素材を交換するという方法も考えられますが、シートや天井、インテリアトリムなどかなりの部分を交換することになり、とても現実的ではありません。中古車販売業者にとっても、喫煙車を消臭して販売するよりも、数%販売価格を割り引いてでもそのまま売ったほうがメリットがあるのが実状です。

一方で、喫煙車だからと言って買取そのものがしてもらえないことはほとんどないでしょう。そのため、喫煙車であることを必要以上に隠匿する必要はありません。モラルというか倫理的な問題ではありますが、少なくとも喫煙車を禁煙車として買取させることは、まず間違いなく買取契約違反になり、あまりにも悪質な場合は詐欺事件として立件される可能性もあります。積極的にアピールするものでもないとは思いますが、虚偽の報告は絶対やめましょう。

ちなみに、いつも車内でタバコを吸ったり、ペットを乗せたりしているクルマでなくても、臭いはついてしまうものなのでしょうか？答えはYESです。もちろん、恒常的に喫煙したり、ペットを乗せたりしているクルマよりは相対的に臭いが少ないと思いますが、クルマのような密室の空間では想像以上に臭いが移ってしまうものです。特に、第三者による査定の場合は、まず間違いなく気づかれるでしょう。タバコの臭いであればなおさらです…喫煙車は喫煙車として買取ってもらうのが、最もベストな選択です。

しかしながら、臭いの度合いや買取業者によっては、査定額にあまり差がでないこともあり、結局は査定に実際に出してみないとわからないというところが現状です。

喫煙車の高額査定を実現するためには？

下取りや査定に出す際は、多くの買取業者を比較することで、より高額な買取価格での車売却が実現できます。喫煙車を最高額で売却したいなら、一括査定サービスを利用するのがおすすめです。

加えて、喫煙する際に以下の事に気をつけると良いでしょう。

①加熱式（電子）タバコの利用

現在では、アイコス（IQOS）やプルームテック（Ploom TECH）、グロー（glo）等の加熱式タバコの発売によって、紙巻きたばこの喫煙率が年々減少しています。

これは、ニコチンやタールが人体に与える影響を防げるだけでなく、車内の臭いを防ぐことにもつながります。

臭いだけではなく、前述したヤニ汚れを防止することもできます。加熱式タバコはヤニの原因となるタールを発生量を減らすためです。

さらに、火種による内装の焦げや溶けを発生させることもありません。

完全に臭いを防ぐことはできませんが、査定額に影響を与える要因を取り除くことができます。従来の紙巻タバコから加熱式タバコへの変更を検討してみてはいかがでしょうか。

②窓を開けて喫煙する

喫煙するときは必ず窓を開けることを心がけましょう。

窓を開けることで、室内にタバコの臭いをこもらせないようにすることが重要です。換気をすることで、室内に外の空気を取り込み、ヤニや臭いの付着を抑えることができます。

車で喫煙するにあたって、以上のようなことに気を付けることで、後々の買取価格に影響を与えることになります。一度付着してしまったタバコの臭いやヤニ汚れは、消臭や清掃するのが大変です。常日頃から、そういったことに気を付けることが高額査定への鍵でしょう。