所有者が違う車をスムーズに売る方法と必要なこと【ケース別に紹介】

車を売る際にはさまざまな書類を揃える必要があります。所有者が違う車を売るためには、さらに多くの書類や手続きが必要です。ケースによって必要な書類や手続きが異なるため、ケースごとの具体的な売却方法を知りたいと感じる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、所有者が違う車をスムーズに売る方法についてご紹介します。ケースを一つひとつ取りあげるので、自分に必要な手続き方法が分かるでしょう。

所有者が違う車を売る方法と必要なこと【ケース別】

所有者が違うといっても、考えられるケースはさまざまです。たとえば、所有者であった親や親戚が亡くなってしまうケースがあります。友人の車を代理で売るケースもあるでしょう。

他にもさまざまなパターンがあるので、考えられる例を一つひとつご紹介します。それぞれに必要な手続きや書類をまとめて理解しましょう。

所有者である親や親戚が亡くなってしまった場合

ケースの紹介

親が亡くなったため、乗っていた車を処分するケースがあります。もう片方の親がすでに他界しているなら、子どもが売却手続きを行う必要があるでしょう。親戚が亡くなった際に車を処分することもあります。配偶者や子どもがいない場合、遺族が車を共同で相続します。

必要な手続きや書類

亡くなった方が名義人となっている車を売る場合、まず名義を変更する必要があります。名義変更を行う場所は運輸支局です。まずは、車の所有者に関する情報が記載されている車検証を用意しましょう。名義人がすでに亡くなっていることの証明となる除籍謄本も揃えます。

亡くなった方の書類に加えて、相続人に関する書類も必要です。戸籍謄本や印鑑登録証明書、実印を用意します。複数人で車を相続する場合、用意するのはすべての方の書類や実印です。車を保管する場所が変わるなら、車庫証明書も警察署で発行してもらいます。

遺産分割協議書も提出書類のひとつです。遺産分割協議書を作成する際は、遺産の相続方法を相続人全員で話し合って決めましょう。決めた遺産分割の内容を一つひとつ書面にし、相続人全員が実印を押します。名義変更が完了したら、通常の手続きで車を売りましょう。

友人所有の車を売る場合

ケースの紹介

車に詳しくない友人の依頼を受けて車を売るケースがあります。友人が海外にいるために、売却手続きが取れないこともあるでしょう。

必要な書類

友人の車を売る場合、手続きは比較的簡単です。通常の売却に必要な書類にプラスして、委任状と譲渡証明書を用意する必要があります。委任状に記入するのは所有者と代理人の氏名・住所、車の車体番号などの情報です。譲渡証明書に押すのは代理人ではなく所有者の印鑑ですので、間違えないようにしましょう。

友人が海外に住んでいる場合、売却時の名義変更に必要な印鑑登録証明書を入手できません。印鑑登録証明書の代わりとして、署名証明書や拇印証明書を海外の大使館で発行してもらいましょう。大使館に委任状や譲渡証明書を持参し、担当者の目の前で署名をしたり拇印を押したりします。基本的に即日で発行してもらえるでしょう。

所有者の判断能力がない場合

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所有者である親や親戚が認知症などで正常な判断ができないケースです。事故や病気で脳に損傷を受けてしまったという場合もあるでしょう。遺産相続の際に、未成年者が車を相続するケースもあります。

必要な手続きや書類

親や親戚が正常な判断ができない場合、成年後見制度を利用できます。未成年後見人選任の申し立てができるのは家庭裁判所です。未成年者の戸籍謄本や住民票、後見人候補者の戸籍謄本、親権者が亡くなっていることを証明する除籍謄本、未成年者の財産を証明する書類などを揃えて手続きします。

申立書に記入するのは、申立者と後見を受ける方の情報、申請の理由などです。審判の途中で担当者が書面や対面で事情をさらに詳しく尋ねることがあります。裁判所に行く必要が生じることもありますので、覚えておきましょう。

成年後見人になれば所有者の代わりに車を売却できます。委任状や譲渡証明書に押印する際に成年後見人の印鑑を用いることができる点が、通常の手続きとの違いです。

未成年者が相続した車を売る場合、親権者が同意する必要があります。親権者が同意書に記入し押印しましょう。親権者がいない場合、未成年後見人が同意書にサインします。

参考：『法務省：成年後見制度～成年後見登記制度～』

名義人がローン会社名義になっている場合

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車をローンで買った場合、所有者がローン会社の名義になっていることがあります。ローンを払い終わっていないケースです。車検証をチェックして所有者がローン会社であることに気づく方もいるでしょう。

必要な手続きや書類

ローンを完済するまでは、所有権留保といって車の所有権はローン会社にあります。ローンが残っていると名義人がローン会社のままなので、車を売ることができません。

所有権をローン会社から自分に移すためには、ローンを一括払いで完済することが必要です。カードローンなど、新たにローンを組みなおす方法もあります。名義人を自分にできるローンを組めば、問題なく売却できるでしょう。

ローンを組みなおす場合、引き続きローンを返済する必要があります。金利や手数料に注意しながらふさわしいローンを探しましょう。

所有者が法人の場合

ケースの紹介

会社で所有している車を売るケースです。業務内容や社員の構成が変わったり古くなったりしたときに、車を売る必要が生じることがあります。

必要な手続きや書類

法人名義の車でも問題なく売却できます。しかし、個人名義とは違い法人名義の印鑑や印鑑証明書が必要です。

印鑑証明書は法務局の窓口で発行してもらえます。印鑑カードを持参して手続きしましょう。法人名や住所、印鑑提出者の役職・氏名・生年月日、印鑑カード番号などの情報を記入して申請します。窓口で申請する場合、手数料は450円ほどです。

印鑑カードをなくした場合、印鑑カードの廃止届と交付申請が必要になります。法人代表者の印鑑を持参して法務局に相談しましょう。

法人の場合、利用している車がリース車両であるケースもあります。原則的にリース車両は勝手に売ることができません。契約が終了すれば、車はリース会社に引き渡すことになります。

参考： 『登記事項証明書（商業・法人登記）・印鑑証明書等の交付請求書の様式 ：法務局』

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所有者が違う車を売る際に必要な前準備

車の所有者が違うケースはさまざまですが、売却時に必要な前準備はほとんど同じです。必要な書類を揃えたり、車を良い状態にしたりと、いろいろな準備をする必要があるでしょう。

売却する本人が所有していない車を売る場合には、所有者ときちんと話し合う必要があります。同意を得ずに車を売るとトラブルになることもあるからです。トラブルを防ぐためにも必要な前準備の具体的な方法をご紹介します。

所有者が本当に車を売りたいか確認しておく

所有者が亡くなっている場合は問題になりませんが、所有者が生存している場合は本人の気持ちをしっかり確認しましょう。友人や親戚が「本当は売りたくなかった」と後日言い出したら、大きなトラブルになります。

離れた場所に住んでいる方の車を売る場合、電話やメールでのやり取りだけでは誤解が生じることもあるでしょう。トラブルを避けるために、念入りに確認することがおすすめです。

車を売った後のことについても合意を得る必要があります。売却したお金で新しく車を買うのか、新しく車を買うのであれば手続きを誰が行うのかもはっきりさせます。売却代金をそのまま残す場合は、お金の渡し方や期限も決めておくと良いでしょう。

車の売却に必要な書類を準備する

名義変更したら車を売却できますが、売却にもさまざまな書類が必要です。スムーズに手続きできるように、事前に書類を揃えておきましょう。名義変更後に必要になる書類は以下の通りです。

車検証や自賠責保険証明書は車内で保管することが多いため、基本的にすぐに見つかるでしょう。自動車税納税証明書もきちんと取っておきましょう。万が一これらが見つからない場合、再発行する必要があります。

リサイクル券を紛失した場合は、オンラインで代わりとなる書類を印刷することも可能です。車検証の住所と現住所が違う場合、住民票の写しも必要になります。

車の状態をベストな状態にしておく

車を査定に出す前に、車の状態を整えておきましょう。車の状態が良いと査定額がアップすることがあります。

誰でも簡単にできるのが洗車や清掃です。車内の足元はゴミが溜まりやすいため、きれいにゴミを取り除きましょう。車内の臭いもチェック対象なので、タバコやペットの臭い対策も行います。

純正オプションを用意しておくことも大切です。カーナビやドライブレコーダーなどの純正オプションは査定額アップにつながります。取り外してあるものがあれば、査定までに集めておきましょう。

メンテナンス記録も査定時にアピールできます。普段から丁寧に車を扱っているとわかれば、査定額が上がることがあるからです。定期点検整備記録簿やメンテナンスノートなどを用意しましょう。

車の中古車相場を確認しておく

中古車相場を把握しておけば、適正価格で売却できます。売りたい車と同じ車種が、どれくらいの価格で売っているかをインターネットなどでチェックしましょう。年式や走行距離など、売りたい車とできる限り同じ条件で調べるのがポイントです。

事前に価格相場をチェックしておけば、安く買い叩かれるリスクを軽減できます。相場を把握していないと、業者の査定額が適正かどうか知ることができません。相場を引き合いに出せば、査定額アップの交渉もできます。

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どうせ売るなら高く！所有者が違う車で高査定額を出す方法

車を売るなら「できるかぎり高い値段で売りたい」と多くの方は思うでしょう。相続した車を売る場合、買取額の全部か一部は自分のものになります。高く売れたら友人や親戚も助かるでしょう。少しでも高く売りたい方におすすめの方法をご紹介します。

車が高く売れる時期に売れるようスケジュールを立てる

車が比較的高く売れる時期は1～2月か7～8月です。3月や9月を決算期としている業者は、決算期に多くの車を売って売上を伸ばしたいと考えています。決算期前は、業者が多くの車を買って在庫を増やしたいと考える時期です。いつもより買取価格を上げてでも、良い車は買い取りたいと思うでしょう。

名義変更をしたり書類を揃えたりするためには、多くの時間がかかります。高く売れる時期を逃さないようにスケジュールを立てて準備を進めましょう。逆算して行動すれば、ベストなタイミングで車を売れます。

車が高く売れる方法で売却する

売却時期だけではなく、売却方法も重要です。売却方法として一般的なのが下取りや買取でしょう。下取りはディーラーに車を引き取ってもらう便利な方法ですが、査定額は低い傾向にあります。少しでも高く売りたいなら買取がおすすめです。車の市場価値を反映した適正価格で車を売ることができます。

特におすすめなのが大手の中古車買取業者です。全国規模で独自の販路を持っている業者もあるため、買取価格が上がりやすくなります。

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買取業者で車を売る場合の流れ

スムーズに車を売るためには、事前に流れを把握しておきましょう。まずは車を見てもらいます。出張査定であれば、業者が家まで来てくれるので便利です。車を業者の店舗まで持ち込んで査定してもらうこともできます。業者がチェックするのは車の人気度や傷などの状態、オプション品の有無などです。

査定額を聞いて納得できるようであれば、売却の契約をします。契約時には必要書類を提出しましょう。お金の振込方法やタイミング、減額の有無なども契約する前に確認します。

契約の際に車の引き渡しについても相談しましょう。すぐに引き渡すか、後日あらためて引き渡すかを選びます。引き渡す際に私物などを取り除いておくのは大切です。

引き渡し後は業者からの入金を待ちましょう。指定日に約束どおりの金額が銀行口座に入っているかを確認します。

高額査定を希望するなら「一括査定」がおすすめの理由

さらに高い査定額を目指すなら一括査定の利用をおすすめします。一括査定は簡単な操作で複数の業者に査定を依頼できる便利なサービスです。しかし、一括査定の魅力は手軽さだけではありません。

一括査定が高額査定につながる理由を3つご紹介します。一括査定を上手に利用して、査定額アップを目指しましょう。

1社だけの査定額に騙されない

一括査定を利用しないと、結果的に損をしてしまうことがあります。査定を依頼するのが1社だけだと査定額が安くても気づかないからです。価格相場を事前にチェックしていたとしても、参考にした車の条件が違っているケースもあります。

査定額に影響を与える条件のひとつは、車のカラーです。人気のあるカラーだと査定額がアップしますが、知らないと平均的な査定額で満足してしまう、ということもありえます。

損をしないためには、複数の業者に査定を依頼することが重要です。その中から最も高い査定額を出してくれる業者を選びましょう。

自分の車を高く買ってくれる業者が見つかる

一括査定を使えば損をするリスクを避けられるだけではなく、より高く車を売ることができます。買取業者はどこも同じように見えても、それぞれに強みがあるのが一般的です。複数業者に査定を依頼すれば、自分の車をより高く買い取ってくれるような強みを持った1社が見つかります。

たとえば、他の業者だと率先して買いたいと思わない車でも、意欲的に買い取ってくれる業者もいるでしょう。海外向けの販路が豊富にある業者なら、日本では買い手がない車でも買い取ってくれます。

一括査定を利用すれば、「もっと高く買ってくれる業者があったかも」と後悔しないで済むでしょう。

業者同士で価格を競い合うので値段が上がる

業者間で競争の原理が働くのも一括査定の魅力です。査定を依頼する時点で、業者は複数の業者に問い合わせが届いていることを意識しています。契約につながるように、できるかぎり高い査定額を提示してくれるでしょう。

業者の提示する査定額をもとに、他の業者と交渉するのも良い方法です。欲しいと思う車なら、業者は数万円程度上乗せしてでも買い取ってくれるでしょう。同じタイミングで複数の業者に査定をしてもらう一括査定なら、査定額が上がる期待が高くなります。

まとめ

所有者が自分ではない車を売る際は、基本的にまず名義人を変更する必要があります。委任状や印鑑登録証明書など、所有者に用意してもらう書類もあるので注意しましょう。他人名義の車を少しでも売りたい場合は、高く売れる時期や方法を選ぶことが大切です。

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